ケニア高地アフリカンジュニパーベリー収穫体験。
BenFiddich店主の鹿山です。
ジンの主原料のジュニパーベリーというと
ヨーロッパ原産をイメージする。
実際に広義の意味でのセイヨウネズ(Juniperus communis)はヨーロッパを中心軸に広がりを見せている。
また極東アジア及び日本のネズは(Juniperus rigida)となる。
地球上の北半球にネズは分布するのだが
唯一南半球まで到達したジュニパーベリーがある。それがアフリカンジュニパー(Juniperus procera)だ。
別名アフリカペンシルシダー、イーストアフリカジュニパー、ケニアシダーとも呼ばれる。
因みに2021年に北マケドニア共和国へジュニパーベリー収穫体験をした時も標高1500m以上がジュニパーベリーの生育適合地と伺っていた。
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今回の本題は
そんなアフリカンジュニパーベリー(Juniperus procera)のフレッシュ蒸留をしているジンの蒸留所がケニアのナイロビにあるというので伺ってきた。
その名はProcera Gin 蒸留所
よって年間生産量はこのタンク4つ〜5つ
因みにアフリカンジュニパーの木は
1910年代〜より鉛筆の材料の木として使われてきた。過去伐採し過ぎて木が減少し、今は保護対象として使われていないが僕らが幼少の頃、学校の机でノートに書いて使っていた鉛筆はジュニパーの木だった可能性もある。幼い頃から僕らはジンにまつわるものと触れ合っていたと思うと感慨深い。
このProcera Ginはアフリカンジュニパーベリーのフレッシュ蒸留に情熱を傾けたジンの蒸留所だ。
彼らの哲学としてはこうだ
僕らは以前はワインを作っていた。
ワインを作る時に葡萄を乾燥させたレーズンは普通は使わないでしょ?
人間に置き換えても人間を乾燥させたらミイラだしそれは魂を抜くようなもの。
僕らの強みはすぐ近くにケニアの大自然があるという事。すぐ摘みすぐ蒸留しケニアの自然を液体に閉じ込めさせる事ができる。都会の蒸留所にはできない事を僕らはできるんだ。それはテロワールを表現する事ができるということ。
造り方としても面白い。
フレッシュのジュニパーベリーを破砕(クラッシュ)させてアルコールに浸漬させる。浸漬時間も24時間もしないうちに蒸留。ここで大事なのが
蒸留する際に破砕させたジュニパーベリーを抜く
ということ。こうする事により常圧蒸留の後半の焦げ臭を抑える事ができるそう。
こちらは↓リミテッドエディションのProcera Gin
であるがボタニカルはフレッシュジュニパー、ジュニパーの枝葉、ジュニパーの木の木部のみを使った
【One Tree】Ginとなる。こういった一本の木のみのジンも造る事ができる。
そして
Procera GinのオーナーのGuy氏のご厚意により
アフリカンジュニパー(Juniperus procera)の収穫体験をさせてもらった。
首都ナイロビ郊外へ車で数時間の山の中。
アフリカンジュニパーの森へ案内してもらった。
アフリカンジュニパーベリーはBenFiddichに持ち帰っているので是非食べてみてください。
世界にはまだまだ僕の知らない事がたくさんある。
たくさんの経験をし、知識を吸収し、その体験を
BenFiddichに来るお客様に伝えていけたらと思っています。
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