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BARにおけるフレッシュハーブの最適な保管方法


BenFiddichの新しいフレッシュハーブ保管方法

新鮮な摘みたてハーブにおいての最高の
適温と湿度を保つ方法を紹介

BenFiddichの1950年代の保冷庫。

そう、冷蔵庫ではない。氷式保冷庫だ。

日本においては世間一般に電気冷蔵庫が普及したのは1960年代以降。
それ以前というのは氷屋から買った純氷で冷蔵。というよりは保冷。電気冷蔵庫はまだ贅沢品であり、氷屋の存在が人々の日常生活を支えていた。

リヤカーで氷を売る人(昭和時代)
昭和の懐古話が多い『こち亀』の話でも氷屋さんは出てくる。だいたい1貫単位で売られる。
1貫=3.75kg




BenFiddichの氷式保冷庫。

上段に氷を置き冷やす。
下部に排水管があり溶けた水は外に流れ落ちる仕組みになっている。


実はこれ表題にある通り
BARにおけるフレッシュハーブの最適な保管方法。

以下、Barで使うのであれば良い事尽くめを紹介、羅列してみよう。


①【高湿度環境が保たれている】 
氷を庫内に入れて溶かすことで内部を冷やす仕組みという事は氷が溶ける過程で水蒸気が発生し、これが庫内の湿度を上昇させる。
フレッシュハーブというのは『フレッシュ』の言葉通り水分を含んだ状態であるからして鮮度を保つには高湿度環境が最適なのである。
つまりは庫内で乾燥する事がまずないのでキッチンペーパーやラップで保護する必要もない。
彼らにとってとてもヌクヌク快適に過ごせる環境なのだ。因みに新鮮な果物、野菜も氷式保冷庫は相性がとても良い。然し乍らパンなんかはブヨブヨになってしまうだろう。

BenFiddichではこんな感じで置いてる。中断に土器の上にハーブを置いてる。


②【庫内温度が程よい】
冷蔵庫の野菜室が3℃〜8℃
ワインセラーの 7℃〜13℃
氷式保冷庫は↑の間くらいの感覚。
もちろん氷の詰め方と開け閉めの頻度で庫内温度はブレるが新鮮なフレッシュハーブにとっては冷蔵庫の野菜室と白ワイン用設定温度の間あたりは
最適な保存温度帯である。


③【畑から直送の気分】
氷式保冷庫に使ってる皿は僕の畑の土で作った土器。釉薬などでコーティングをしてないので土器の皿に湿気の水分を吸い込んでくれて雨の降り始めの香りである『ペトリコール』(香気成分の名前)までしてくれるのだ。

僕の畑の土の土器の皿と僕ん家の草


これはすごい事で
鹿山畑の土で作られた土器の上に
鹿山畑の摘みたて草(ハーブ)が乗っている。
それも梅雨のような適切な湿り気で。


さながら畑の地植えのような状態でそのまま保管されているのだ。

良い香りがするのだ。



【BARであれば純氷は容易に手に入る】
一般家庭では製氷機が主流である昨今だが街場のBARであればBARと氷屋の関係は切っても切り離せない。つまりは毎日貫目の氷が店舗に届いてるのだ。つまり出勤して開店前に整形したり割ったりした氷の破片を集めるだけでも充分保冷ができる。電気代がかからないのだ。


製氷技術が確立したのは1850年〜
そこから氷は身近なものとなった。
そこから冷凍庫が一般家庭に普及したのが1950年〜。

この100年の間に
一般家庭で広く使われていた氷式保冷庫。

BARにとっては未だに有用な遺産だ。
BenFiddichではこれからも使ってゆきたい

BenFiddichでは奇跡的にバックバーにハマりました
(右側にある箱が氷式保冷庫)

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