見出し画像

BenFiddich別館。


BenFiddich10年目の節目として。
BenFiddich別館誕生。


いや、正確に言うと実はもうだいぶ前から出来上がっていた。
本来は僕が倉庫兼事務所として借りていた物件があったのだ。

それは雑居ビルと雑居ビルの間に挟まれ狭い魔界村のような通路の先にある謎の一軒家。



ここに建物があると気づいてるのは新宿通でもなかなかいない。
そこは新宿警察署の斜め向かいにある
建立600年常圓寺のお寺の敷地。
戦後高度経済成長期のビル乱立により取り残されたビルとビルの狭間のドン突きに生き残る木造家屋の昭和遺産。
裏手には大きな墓場がある。

古いビルの細い路地を抜けると
昭和30〜40年代の木造建築がある。
現在の持ち主は上海生まれの孫さん。
【上海再来宴の別邸】




なんでこんなとこ借りちゃったかというとこの物件自体は元々はお寺の建物の一部。
お坊さんが昔は住んでた家。

お寺の一部というと複雑だけれどもそこは新宿の古い歴史の一端。戦後の焼け野原の時に常圓寺の周りにはたくさんのバラックが立ち並びその一部が後に当時の日本の法律であった『占有時効』が有効になり所有権を得る(占有時効は20年)
なので常圓寺の周りの戦後高度経済成長期に建てられた古い雑居ビルは当時のお寺の土地であり、ビルオーナーごとにお寺との関係性とやりとりはそれぞれだが地代または家賃という形で利用料が支払われている。
これも新宿の歴史。


とどのつまり青梅街道側にあった当時の家が高度経済成長にビルを皆が建てたものだからビルとビルの狭間に取り残された家になったのだ。


現在は『上海再来宴』という中華屋を営んでいる中国人の孫さんが所有。
ひょんな事で僕は結構前から孫さんとはマブダチだ。
孫さんの中華屋がメッチャ暇なもんだからTwitterのアカウント作ってあげて鹿山が遠隔操作をしているくらい仲が良い。
(誰か食べ行ってあげてください)


とどのつまりは孫さんの店が暇過ぎだから本館だけ残して上記の物件の【上海再来宴別邸】を誰かに貸したかったのだ。

孫さん
『カヤマサントモダチダカラネ、ヤスクカシテアゲルヨ‼︎ジュウサンマンデヨイヨ!ショウヒゼイコミ、コレハカヤマサンダケダカラネ』

孫さんと『上海再来宴』本館




そう、勢いで借りちゃった。

その時思ったのが 


あっ、こんなふうにBenFiddichしたら面白いなって。

それで

知ってる人しか辿り着かない。

月に一度。

BenFiddichが別の場所でopenするBenFiddich別館みたいなのがあったら楽しいなって。

そう、BenFiddichが月に一度別の場所で営業をする。(その時は既存のBenFiddichは営業をしない)

図面
V字型カウンター。





と言う事で2021年〜2022年の出来事をスライドショー的に写真を交えて紹介


元々は『上海再来宴』別邸としての箱
これを破壊解体
カウンターの基礎台作成
カウンターは桧をV字に繋ぎ合わせ(青印)
ミズナラ樹齢300年の切り株をメイキング台(赤印)


ミズナラの切り株は二つにスライス↓
薄い方はカウンターのメイキング台。

こんな感じ。
カウンターの上に切り株のメイキング台。
V字型のカウンター。
分厚い方はミズナラの物置台。
超重い。
家具類を運び込む
コロナ禍により暇なので従業員は使いたい放題
お寺の住職に頼み込んでお寺の敷地にトラック乱入させても搬入させた。
BenFiddichチーム総出で準備
(2022年当時)
入り口のビルとビルの狭間の通路
BenFiddich別館は
カウンター席のみ。



もう一度、
BenFiddich別館の存在について。


これは三店舗目ではなく
BenFiddichの分身の様な存在。


【BenFiddich別館】が営業する事があれば本来の【BenFiddich】は営業せず。


なぜなら店主鹿山がカウンターに立つ。


別館は月に1度〜2度OPENする
BenFiddich遠隔空間のような存在。

因みに会員制ではない。
僕は会員制というのはどうも苦手。

然れども、カウンターだけの
知ってる人だけが辿り着く
ワクワクドキドキするようなBenFiddichというのを作りたかった。
故にBenFiddich別館。


たぶん未だに昔の暇だったBenFiddichの過去の望郷の念的なものを追いかけてるのかもしれない。
2013年〜2014年の1人でBenFiddichを切り盛りしていた時代。
楽しかったなぁ。
あの暇だったBenFiddichというのは僕の中ではかけがえのない想い入れのあった記憶の一部。半分店に住んでたから一番がむしゃらだった。

かと言って暇は当たり前のように困るので現実的に戻りたいという訳じゃない。
いや、むしろ抱えてるものが増えたので戻ってはいけないし、今は今でとても満足をしている。


でもこんな月に一度や二度開店するBarを作っちゃうのもうまく言葉にはできないけれども深層心理として想う所があっての結果だろう。

BenFiddich10年の節目。

BenFiddich別館
勢いで作っちゃいました

Ben(山)Fiddich(鹿)も生きていて、
その時代に合わせて少しずつ変化と成長を重ねてゆく様を鹿山と共に見守って頂けると幸いです。


店主 鹿山博康
BenFiddichバーテンダー 一同


【場所】
西新宿7丁目12−4 BenFiddich別館
常圓寺のお寺の横の昌平ラーメンと上海再来宴の間のビルとビルの狭間の抜け道をくぐると見つかる木造家屋。

【営業時間】
7時〜Good Time

【営業日】 
不定期。月に1度〜2度

【オープン日】
2023年7/30

【後の営業日】
取り急ぎ
2023年8/6 & 8/13 は営業します。
その後の営業日はSNSで静かにアナウンスします。


BenFiddich10年の歴史もどうぞ↓


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?