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アルメニアの薬草酒。


アルメニアという国はハーブが有名らしい。
それはアルメニア人バーテンダーが皆口々に言っていた。

特にタイムが有名でアルメニアタイムという固有名詞があるほどだ。

首都エレバン郊外の茂った廃墟。
土着の野草が繁茂している。ジェネピ(アルプスヨモギ)のようなものやタイム系があった。野草香り大国。




鹿山博康(僕)が薬草酒好きだという事で

アルメニア人バーテンダー
ヘイ!鹿山。お前が好きそうなとこへ連れてってあげるぜ!シャルトリューズ修道院のシャルトリューズ酒なんか目じゃないぜ!


という事でこんな場所に連れてってもらった

アルメニアの古代、中世問わずアルメニアに関する全てが集められた写本、羊皮紙、書物などが集結している化学研究機関『マテナダラン』という場所


つまりはアルメニアの歴史の英智がここに詰まってるのだ。アルメニアは西暦301年にキリスト教を国教とした最初の国。つまりはキリスト教国としては現存してる最古の国となる。

そう、アルメニアは歴史が長いのだ。

すぐお隣の国にはトルコやイランがありペルシャ文化などの後々のイスラム文化圏も混じり合う多文化な土地柄なのだ。故にアルメニアに現存している書物にはたくさんの英智が詰まっている。

薬草。ハーブの取り扱いなどが書いてあるんだと思う。
これも有用薬用植物の説明らしい
アルメニアで採取できて尚且つ歴史的に使われ続けた草根木皮達。
植物だけでなく、建築やその他諸々全ての本がある


そう、そこで特別に今回の
アルメニアBar showのイベント主催者と研究機関『マテナダラン』の人が手招きしてこの古の書物から再現した薬草酒を飲ませてくれた(非売品)

レシピも見せてもらった。

ロシア語とアルメニア語で書かれていてよくわからないけど頑張ってGoogleを使うとレシピはこうだ。



サンザシの実のフルーツブランデーをベーススピリッツとしてミント、レモンバームなどの緑色系ハーブ、柑橘の皮を浸漬して蒸留。
サフランで黄色に着色し糖分を加えたリキュールだ。度数は38度。
英語名にすると【Elexir Joy】という名前になるらしい。

綺麗な黄金色のリキュール。
アルメニアは昔からサフランを自前で栽培していたらしい。




実はこれ、バチクソ美味かった。
こんなのがあるならBenFiddichで使いたいと思い『売ってないの??』って聞いたらどうやら非売品らしい。
アルメニア正教会などの祭事などの際に提供はしたりはしてるらしい。

展示品がある場所には他にも中世の時代から引き継がれてる薬草酒などを再現した展示があった。一部を紹介します

これは『ヴォルダンカモミール』という名前の
コチニール(カイガラ虫)で紅くしたカモミールの美容オイル。
これもコチニール(カイガラ虫)の薬草酒
エレキシールロイヤルという名前の健康ドリンク
これは右に見切れてる壺の中にある健康ハーブMixティーのやつ。



イタリアのフィレンツェに現存する世界最古の薬局サンタマリアノッヴェラのリキュール。

今でも修道士が生産に携わるフランスのシャルトリューズ修道院。

ここアルメニアにも非売品ながらこうやって古代のレシピを再現している場所がある。

日本には持ち帰る事はできなかったけど飲ませてもらえた。この時の味わいをしっかりと記憶して今後のBenFiddichとして役に立てて行きたい。
アルメニアのバーテンダーの皆様ありがとうございました。

一緒に訪れたバーテンダーの皆様
首都エレバンの風景。



BenFiddich店主
鹿山博康

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