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『あなたが居たから僕はバーテンダーになった』というお話し。


モンゴル人の20歳くらいのバーテンダーの子に
あなたは私が子供の頃のヒーローだった。だからバーテンダーになった』って。
そんな嬉しい言葉をもらった。

今日はモンゴルでのそんなお話し。

先日モンゴルの首都ウランバートルのBarにて二日間のゲストバーテンダー及びモンゴルの若手バーテンダー向けBenFiddichセミナー開催した。

首都は僕らの連想する草原のモンゴルではなく大都会だ。



近年目覚ましく大発展を遂げているモンゴル。

それに伴いチャンスと職を求め遊牧民を辞め首都ウランバートルに人口は集中。
鉱物資源も豊富で日系、中国系、韓国系企業も多く進出をしそれに連動して新たな富裕層が誕生。
つまりは富裕層が増えればそれに比例して嗜好品文化というのが追随してくるのが常。

そうBARという嗜好品文化が華開くのだ。


いま首都ウランバートルではカクテルバーがどんどんオープンしている。
オーナーの人達はとても若い。
30代前半の実業家の人々が多い。
彼ら曰く『今までモンゴルには僕らが求めてるようなBarがなかったから自分達で思い描くBarを作ろう』っていう流れで今に至るらしい。

鹿山がゲストバーテンダーした【Valut】というBar。一つの箱に四つのコンセプトに分かれたBarがある。メインバー、スタンディングバー、クラブ的な踊れるバー、シガーバー。日本だとなかなか無いスタイル。



そんな中で日中はモンゴルの若手バーテンダー向けBenFiddichセミナーを行った。

総勢50〜60人の若手バーテンダーが集まってくれた。



みんなとても熱心に聞いてくれた。


質問もたくさん投げかけられた。


『日本のバーテンダーはどのように練習してるのですか?』 とか

『新しいカクテルを生み出すにはどうしたらいいですか?』とか

『モンゴルではバーテンダーになるという事は親にとても反対されるんです。日本ではどうですか?』とか

これに関しては一昔前の日本と似ている。


そんな中で20歳くらいのある子が
『あなたは私が子供の頃のヒーローだった。だからバーテンダーになった』って。

子供の頃??って最初思ったけどすぐ腑に落ちた。あぁ、そうか。
もうあれからだいぶ経つんだなって。

実はBenFiddichと鹿山博康。
2016年にアメリカ人が昔撮ったメイキング動画がなかなか海外で有名になった事があるんです。
それが『フレッシュカンパリカクテル』の動画。
カンパリを使わないでカンパリの原料だと思われるボタニカルで作る分解再構築フレッシュカンパリカクテル。
なかなかふざけた動画だがこの手法のカクテルの作り方は当時大いに海外でウケた。




あの動画が2016年。
今はもう2024年。
あれから8年
の月日が流れた。

いま20歳のモンゴル人のバーテンダーの子はあの時まだ12歳。
確かにまだ子供だ。

もしその子が本当にあの当時の僕の
『フレッシュカンパリカクテル』の動画を見てそれがきっかけでバーテンダーになったのならこれほど嬉しい事はなくて夢をあげれて嬉しい。



本当にバーテンダー冥利に尽きる。

あの時、海外のシェフが『日本にカンパリを使わないで分解再構築するフレッシュカンパリを作るバーテンダーがいるぞ‼︎という事でBenFiddichを紹介してくれて、そこからハリウッド系の映像作ってる社長が来て気に入ってくれて撮った動画。僕自身もあの動画のおかげで2016年当時に海外の人々にBenFiddichを知ってもらえたきっかけになった動画カクテルが『フレッシュカンパリカクテル』
その辺からBenFiddichには多くの海外のお客様が来てくれるようになった。

人生って本当に出逢いとタイミングなんだと思う。僕自身も2016年から海外に呼ばれ始めた。


そして周り回って当時子供だったモンゴル人の子はYouTubeの動画で僕を見てバーテンダーを知るきっかけを得てバーテンダーになった。
僕は僕であの動画が最初はきっかけで海外に呼ばれるようになってモンゴルまで赴くきっかけを得た。

そしてお互いが対面して出逢う事ができた。

今後も巡り合わせを大切にしたいと思う。

BenFiddichセミナーに来てくれた
モンゴル人のバーテンダー達。


モンゴルのBarとバーテンダー達
とても素晴らしいとこでした。
これからもっともっと発展して良いBarができてくるんだろうなぁって思いました。

また数年後、再訪したいと思います。



BenFiddich店主
鹿山博康

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