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ナツメグの果実で造られるジュース。ペナン島の『ナツメグジュース』

マレーシアの第二の都市Penang(ペナン)


こちらでBenFiddichとして呼ばれゲストバーテンダーをしてきてカクテルを作ってきました。


ペナンは何が有名かというとナツメグだ。

フレッシュのナツメグ


ナツメグの一般的な使用部位は種子の部分のいわゆる僕らが認識してる『ナツメグ』と外皮の部分である『メース』といわれる部位を使う。

しかしながらナツメグの産地で果実の部分を用いてジュースを造る。

こちらがナツメグ果実ジュース。
味わいはコーラ風味酸味ジュースだ。


僕らがゲストバーテンダーした
『Back door Bodega』もナツメグカクテルを最もなシグネチャーカクテルとして据え置いている。

彼らの自家製ナツメグシロップで
造られるカクテル。
ちゃんと造り方まで提示。


Step1
新鮮なナツメグ果実1kg
氷砂糖500g

step2
ナツメグの果実を半分にカット。
ナツメグの種を取り除き果実部分をスライス

step3
鍋にナツメグの果実スライスと氷砂糖を重ね水を入れずに一晩(10〜 12時間)浸漬させナツメグ果実の濃厚シロップを抽出させる。
【オレオサッカラム手法】

step4
ナツメグ果実シロップを瓶に詰めて冷蔵保存。
水やソーダで割って喉の渇きを潤す飲み物にしたり、ウイスキーと少量のビターズ を加えて最高のオールドファッションとなる。
と書いてある。

左がいわゆる先ほどの造り方のナツメグ果実シロップの造り方。しかしながらペナン島には世界でも珍しいホワイトナツメグ果実シロップがあるのだ。



【ホワイトナツメグジュース】
というのも存在してて、これは世界探せともペナン島だけ。ペナン唯一のシグネチャーだ。

赤いナツメグ果実のジュースはペナン島以外にもマレーシアのどこそこやインドネシアにもある。


なぜ白かと言うと造り方がある。

左がまだ若いナツメグだ。
ナツメグは切った段階で林檎と同じように切った断面からすぐに酸化して茶色になる。
それをクエン酸などを用い人為的に酸化を止める。
左の若いナツメグの種子はもちろん取り出しその周りにある白っぽいとこが果実だ。
それを水と果実、クエン酸などで酸化を止めブレンダーでブィーンって回して漉して、糖分を加えたのがホワイトナツメグシロップの元となる。

茶色の従来のやつと比べると色も相まってなんだか爽やかな味わいだ。



そんなナツメグで有名な
マレーシアのペナン島。
もちろんナツメグ農園にも行ってきた。

ペナン島のナツメグ王。
福建省からのルーツを持つ当主。
これがナツメグの種子。
僕らがよく使うやつ
これは外皮の
『メース』
こちらは種子より高貴ない香り
そしてこちらで干してるのが果実。
ドライフルーツとしても売られている。
こんな感じ。
ナツメグの木。
実は葉っぱも良い香り。楠の葉の香り。
枝も折ると樟脳のような香りがする。


売店ではナツメグジュースが大量に売られている。
ナツメグ王のお父さんとBenFiddichのバーテンダーの面々で記念撮影。



とゆうことでBenFiddichではいくばくかナツメグ果実ジュースやナツメグ果実シロップを頂いた。
果実部分は日本では手に入らないので存在する限りBenFiddichナツメグカクテルを提供したい。

二種あるよ





【White nutmeg fruit daiquiri】


ホワイトラム 50ml
フレッシュライムジュース10ml
フレッシュグレープフルーツ10ml
ホワイトナツメグシロップ20ml

【造り方】
全ての材料をシェーカーに入れシェイクして氷を入れたロックグラスへ注ぐ。
ナツメグを削り振りかけ、メースを飾る。
香りを聞きながら飲んでください。




【Nutmeg fruit old fashioned】

ライウィスキー50ml
レッドナツメグシロップ20ml
アンゴスチェラビターズ1dash
オレンジジュース10ml

【造り方】
全ての材料を氷を入れたミキシンググラスに入れゆっくり加水しながらステア。
氷を入れたロックグラスへ注ぐ。
ナツメグを削り振りかけ、メースを添える
香りを聞きながら飲んでください。




これからも素敵な素材を海外で見つけ
BenFiddichのお客様に素敵な体験を提供できたらなと思います。


生涯探究
BenFiddich 店主
鹿山博康

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