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番組クレイジージャーニーとジャムウ(Jamu)


2023年9月4日21時TBS放送の
『クレイジージャーニー』にて
BenFiddich店主鹿山博康は
『素敵ジャーニー』をさせて頂きました。

(番組)
『鹿山さんの好きな事やって良いですよ。教えてください』


(鹿山)
『インドネシアのジャムウっていう謎の草根木皮で造られる様々な液体達はどうやって作られてるんだろ?造り方を教わりたいな。願わくば弟子入りしたい』

(番組)
『では行きましょう』

そんなノリでスタートでした。

ペットボトルに各種詰められたジャムウ達。





そもそもジャムウ(Jamu)とは?





ざっくり言うと
ジャムウ(Jamu)は、インドネシアの伝統的な薬草伝統飲料。
例えばターメリックやジンジャーなどの根、レモングラスやタマリンド、蜂蜜や米の研ぎ汁、苦味のある草などインドネシアにおける自然界の素材を用い、病気を未然に防ぐ東洋医学的な解釈。つまりは病気だから病院に行くのではなく、日々の生活の中で飲む伝統草根木皮健康飲料。



鹿山が特にジャムウ(Jamu)に惹かれたのは
甘味、酸味、苦味、旨味、辛味などの多様な味わいを組み合わせる事。

それは正にカクテルのように。


お客様の症状に合わせてその時々の按配で配合を調整して提供するのだ。

そう、正にバーテンダーのように。

ジャカルタ郊外の古い市場で出逢ったジャムウ造り22年のサンティさん。17歳からジャムウを造り売っている。
まさかの鹿山と同い年(39歳)
このように家で作ってきた様々な配合のジャムウをお客様の症状に合わせて現地でカクテルを調合するように組み合わせて提供をする。


ジャムウおばさんには様々な基本組み合わせを教えてもらった。それはBar業界でいうところのジントニック、ネグローニ、マティーニのようにジャムウ界でも皆の共通認識のスタンダードの組み合わせがあり飲み手は各々自分好みの贔屓にしているジャムウおばさんを持っているのだ。正に街場のBarと同じなのだ。
番組で前のめりになる鹿山


そしてこのあと念願のジャムウおばさんことサンティさんの自宅に行って手造りジャムウを習いに行った。

サンティさん家はジャカルタ郊外の下町にある
仕込み方法をおしえてもらった。
ジャムウ造りに必要な様々な素材




ジャムウ(Jamu)にも共通認識のスタンダード配合がある。今回鹿山が伝授してもらったのはサンティ家に伝わる秘伝の2種の配合を教えてもらった。



①【クニトアッサム】

クニト=ターメリック
アッサム=タマリンド

という意味。ターメリックとタマリンドのバランスだ。そこに蜂蜜、パームシュガー、塩、水、生姜が入る。

これがジャムウ(Jamu)界における
ジンフィズであろう。
ジンフィズが甘味と酸味、炭酸、アルコール感の調和であり、バーテンダー界における基礎が詰まった王道のカクテル。
クニトアッサムもタマリンドの酸味、パームシュガーや蜂蜜の甘味、塩味、スパイスの調和だ。


まずはターメリックを叩いて潰す。

そして
水を入れ混ぜて濾しこれを6回繰り返す。

そして、タマリンド、白砂糖、パームシュガー、生姜、蜂蜜、塩を入れ、もう少し水を入れて煮溶かす。

全ての材料を火にかけて煮溶かす。
ジャムウの代表的な配合
【クニトアッサム】

クニト=ターメリック
アッサム=タマリンド



それ以外にも
【ブラスクンチュール】
という配合を教えてもらった。

ブラス=米粉
クンチュール=バンウコン(生姜の仲間)


フェンネル、コリアンダーシード、バンウコン、米、白砂糖、生姜、水、パームシュガー

フェンネルやコリアンダーシードを炒り、2時間米を水に漬けてたものを石臼で潰し混ぜ合わせる。その後、水、生姜、白砂糖などを混ぜ合わせ濾す。

これはさながら
インドネシア版オルチャータだ。




番組ではジャムウおばさんから得たインスピレーションを元にその場でジャムウカクテルを作った。

サンティさん家の集落はムスリムの方が多いエリアなのでノンアルコールジャムウカクテルにする。

根=ターメリック、生姜
茎=レモングラス
葉=柑橘の葉
種=コリアンダーシード
果実=タマリンド、ライム、柿のような果実(名前忘れた)
水、パームシュガー

そして最後にバーテンダーらしく
シェイク
子供達にも即席ジャムウカクテルを呑んでもらいました。


今回のジャムウおばさんにインタビューでとても印象に残ったのが

鹿山
『ジャムウってカクテルみたいですね
‼︎

って言ったら

ジャムウおばさん
『カクテルってジャムウみたいだよね』って。


そう、バーテンダーが好みに合わせてカクテルを調合するようにジャムウもお客様の調子、要望に合わせて調合する。

ジャムウおばさんのサンティさん。



このジャムウおばさんことサンティさんは10代の頃からずっと同じジャカルタ郊外の古い市場でジャムウを売っているとのこと。

ジャムウを売る人は家でジャムウのリキッドを作りボトルに詰めて籠に背負子のように担いで広場に風呂敷を敷いて商いをする。
良さそうな場所があれば商い場所を転々と移動するのが常。


でもこのジャムウおばさんのサンティさんは場所を移動をしない。17歳の時から39歳までの22年間同じ場所でジャムウを売り続けてるのだと。

ジャムウおばさんのサンティさん曰く
『私が場所を移動しないのは私のジャムウを飲みに来てくれる人がいる。私は毎朝同じ場所にいるから私のジャムウが好きで逢いに来てくれる人がいる。だから私は移動しないのよ』と。 



なんかBarとバーテンダーの本文みたいと思った。

そして続けて
僕がこう聞いてみた。

鹿山
『ジャムウを作ってて良かった事ってある?』

ジャムウおばさん
『あなたのジャムウのおかげで毎日調子が良いよ』って常連の人に言ってもらえるのが嬉しい。と。

それこそそれって
Barとバーテンダーとバーに通うお客様と似ているなって。


星の数ほどあるBar。

それでもどこのBarでも必ず大なり小なり常連というお客様が存在し、お客様はその人生の中の一片としての時間を拠り所して使ってくれている。
ジャムウおばさんとこへジャムウを飲みに来てくれる常連も同じ事だと思う。

鹿山
『ジャムウってカクテルみたいだね』


ジャムウおばさん
『カクテルってジャムウみたいだね』


と返されたのが胸に染みました。

サンティさんありがとう


クレイジージャーニーのスタッフの皆様
貴重な機会と体験をくださり
ありがとうございました。

BenFiddich店主
鹿山博康

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