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【幻の桜】という伝説の忘れ去られたBAR

タイトルが『伝説の忘れ去られたBar』
なんてなかなか失礼だがド級のオールドボトルをBarでショット売りする世界線を作り上げた方が
忘れ去られるのは悲しいのであえてこういう書き方をしました。

本題に戻って
僕の大好きなBARが千葉県富津市にある。


東京から電車で行ったら2時間くらい。


大貫というローカルな駅から歩いて20分。


そのBARの名は【幻の桜】
通称『マボサク』


2006年まで銀座にあった伝説の超ド級古酒Bar

聞くところによると銀座時代は100年前の南極観測隊の基地にあったウイスキー、沈没船から回収されたウィスキーなどぶっ飛んだ酒類が存在したBARであったそう。

惜しまれながら18年前に閉店。
現在は千葉県富津市の郊外の住宅街に草に埋もれながらひっそり存在する。

【幻の桜】の歴史。
1988年に三軒茶屋で開業
1997年〜銀座に移転。
2006年 閉店。
2017年 千葉県富津市で密かに再オープン
(お客様の来店頻度は月に1組程度)

BARの入り口。住宅を改装。
表札
バーカウンターと井口さん
無造作に並ぶ古酒達。
提供される古酒も全て19世紀のグラス達で提供される



氷はない。
無論カクテルは作らない。
提供スタイルは全てがストレートのみ。



【営業時間と営業日】
決まっていない。
井口さんにメールをしてやりとりをして開けてもらうスタイル。
(こちらには井口さんのメールアドレスは記載できないですが頑張って『幻の桜』を検索しまくれば井口さんのメールアドレスにぶち当たるので色々検索して発掘してください)
もしくは鹿山まで聞いてくれれば井口さんの連絡先をお教えします。
(井口さんより了承済み)

僕が2024年5/27に伺った際は2カ月ぶりのお客様の来店と仰ってました。

『もう少しお客様来てくれたらなぁ〜』って
仰ってたので気になる方は行ってみてください。
1980年代、1990年代のBar事情や現代とは違うシングルモルト、古酒の世界観の遷移のお話がとても面白いです。
因みに井口さん。とても気さくな人です。
先日伺った時はずっとナメクジについて語っていて、ナメクジの深遠なる世界を垣間見ました。

あと、井口さんは普段昼間は車で配達の仕事をしていて予約のメールもレスポンスは遅くなるそうで、さらには猫を別の場所でたくさん飼ってるので餌やりでも忙しいです。
(富津にいるのも一部猫の為でもあるそう)

左側が1919年瓶詰めのシャルトリューズブラックのボトル
右側が19世紀末から20世紀初頭瓶詰めのシャルトリューズジョーヌ
1960年代ウニクム
抜群のカリラ
古いハーパー。1970年代あたりだろう
古いテキーラ。
1980年代〜1990年代
1934蒸留アルマニャック
僕が大好きな1919年に造られた自家製ジン



こちらの100年前のジンは30年前に店主井口さんがNYまで飛んで直接買い付けた1919年11月15日瓶詰めのイギリスで個人蒸留で造られたジン。

1919年11月15日と日付けがわかるのは遺品整理の際に亡くなった方の倉庫からメモが残っていたことから正確に特定。
当時NYのMorrell Wine Storeで売られていたものを井口さんが飛行機に乗って直接買い付けた銘酒。何回かに分けてNYへ通い計200本を購入したそう。

歴史に想いを馳せながら100年前の自家製ジンを飲む





因みにBenFiddichの月に1度ないし2度オープンしているBenFiddich別館。
実はバックバーの内装のアイデアはこちらの
『幻の桜』さんからリスペクトして頂きました。

バックバーの奥にバックバーがある感じ。
奥行きの魅せ方。
正面から見るとこんな感じ。
BenFiddichの別館のバックバーは実は『幻の桜』のバックバーをリスペクトさせて頂いております。
BenFiddich別館の図面。


そう、それくらいリスペクトしている。

東京から電車で2時間以上。
ローカルな駅から歩いて20分以上。
辿り着いたら草が繁茂した入り口。
氷はない。カクテルはない。ビールもない。
ただただ歴史を飲むBAR。
大好きです。


井口さん今年も伺えて幸せな気持ちになりました。ありがとうございます。


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