実地

クロルピクリン

本品の水溶液に金属カルシウムを加え、これにベタナフチルアミン及び硫酸を加えると、赤色の沈殿を生成する。

メタノール

頭痛、めまい、嘔吐、下痢等を起こし、視神経が侵され、眼がかすみ、失明することがある。
あらかじめ熱灼した酸化銅を加えると、ホルムアルデヒドができ、酸化銅は還元されて金属銅色を呈する。

ニコチン

本品のエーテル溶液に、ヨードのエーテル溶液を加えると、褐色の液状沈殿を生じ、これを放置すると赤色針状結晶となる。

アニリン

中毒は蒸気の吸入や皮膚からの吸収によって起こる。中毒症状としては、血液毒と神経毒を有しているため、血液に作用してメトヘモグロビンをつくり、チアノーゼを引き起こす。
本品の水溶液にさらし粉を加えると、紫色を呈する。

一酸化鉛

希硝酸に溶かすと、無色の液となり、これに硫化水素を通すと、黒色の沈殿を形成する。
セメントを用いて固化し、溶出試験を行い、溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する。(固化隔離法)

水酸化カドミウム

セメントで固化し溶出試験を行い、溶出量が判定基準以下であることを確認して埋立処分する。(固化隔離法)

硅弗化ナトリウム

水に溶かし、水酸化カルシウム等の水溶液を加えて処理した後、希硫酸を加えて中和し、沈殿濾過して埋立処分する。(分解沈殿法)

クロロホルム

過剰の可燃性溶剤又は重油等の燃料とともにアフターバーナー及びスクラバーを備えた焼却炉の火室へ噴霧して、できるだけ高温で燃焼する。(燃焼法)

過酸化水素水

過マンガン酸カリウムを還元し、クロム酸塩を過クロム酸塩に変える。また、ヨード亜鉛からヨードを析出する。
多量の水で希釈して処理する。(希釈法)

過酸化ナトリウム

工業用の酸化剤、漂白剤。
水に加えて希薄な水溶液とし、酸(希塩酸、希硫酸等)で中和した後、多量の水で希釈して処理する。(中和法)

エチレンオキシド

多量の水に少量ずつ吹き込み溶解し希釈した後、少量の硫酸を加え、アルカリ水で中和し活性汚泥で処理する。(活性汚泥法)
付近の着火源になるものは速やかに取り除く、漏洩したボンベ等を多量の水に容器ごと投入して気体を吸収させ、処理し、その処理液を多量の水で希釈して洗い流す。

アンモニア水

必要があれば水で濡らした手ぬぐい等で口及び鼻を覆う。少量の場合、漏洩箇所は濡れむしろ等で覆い、遠くから多量の水をかけて洗い流す。

ジクロルボス(DDVP)

付近の着火源となるものを速やかに取り除く。漏洩した液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に導き、空容器にできるだけ回収し、そのあとを水酸化カルシウム等の水溶液を用いて処理した後、中性洗剤等の分散剤を使用して多量の水で洗い流す。

砒素

空容器にできるだけ回収し、そのあとを硫酸鉄(Ⅲ)等の水溶液を散布し、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等の水溶液を用いて処理した後、多量の水で洗い流す。

三酸化二砒素

殺虫剤、殺鼠剤、除草剤、皮革の防虫剤、陶磁器の釉薬。

硫酸

多量に漏洩した場合は、土砂等でその流れを止め、これに吸着させるか、又は安全な場所に導いて、遠くから徐々に注水して、ある程度希釈した後、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウム等で中和し、多量の水で洗い流す。

蓚酸

鉄錆のよごれ落とし、真鍮・銅の研磨。
血液中のカルシウム分を奪取し、神経系を侵す。急性中毒症状は、胃痛、嘔吐、口腔・咽喉の炎症、腎障害。

弗化水素酸

銅、鉄、コンクリート又は木製のタンクにゴム、鉛、ポリ塩化ビニルあるいはポリエチレンのライニングを施したものを用いる。火気厳禁。
大部分の金属、ガラス、コンクリート等と反応する。本品は爆発性でも引火性でもないが、各種の金属と反応して気体の水素が発生し、これが空気と混合して引火爆発することがある。

塩素

極めて反応性が強く、水素又は炭化水素(特にアセチレン)と爆発的に反応する。

メタクリル酸

重合防止剤が添加されているが、加熱、直射日光、過酸化物、鉄錆等により重合が始まり、爆発することがある。

クロロホルム

火災等で強熱されるとホスゲンを発生するおそれがある。

ブロムメチル

常温では気体なので、圧縮冷却して液化し、圧縮容器に入れ、直射日光その他、温度上昇の原因を避けて、冷暗所に貯蔵する。
臭いは極めて弱く、蒸気は空気より重い
ため、吸入による中毒を起こしやすい。 

ホルマリン

フェーリング溶液とともに熱すると、赤色の沈殿を形成する。

沃素

皮膚に触れると褐色に染め、その揮散する蒸気を吸入すると、めまいや頭痛を伴う一種の酩酊を起こす。
デンプンと反応すると藍色を呈し、これを熱すると退色し、冷えると再び藍色を現し、さらにチオ硫酸ナトリウムの溶液と反応すると脱色する。

水酸化ナトリウム

水溶液を白金線につけて無色の火炎中に入れると、火炎は著しく黄色に染まり、長時間続く。

臭素

アルカリ水溶液(水酸化カルシウムの懸濁液又は水酸化ナトリウム水溶液)中に少量ずつ滴下し、多量の水で希釈して処理する。(アルカリ法)

水銀

常温で液状の金属。
そのまま再利用するため蒸留する。(回収法)

弗化水素

多量の水酸化カルシウム水溶液中に吹き込んで吸収させ、中和し、沈殿濾過して埋立処分する。(沈殿法)

シアン化カリウム

飛散したものは空容器にできるだけ回収する。砂利等に付着している場合は、砂利等を回収し、そのあとに水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の水溶液を散布してアルカリ性(pH11以上)とし、さらに酸化剤の水溶液で酸化処理を行い、多量の水で洗い流す。

カリウム

流動パラフィン浸漬品の場合、露出したものは、速やかに拾い集めて灯油又は流動パラフィンの入った容器に回収する。砂利、石等に付着している場合は砂利等ごと回収する。
水、二酸化炭素、ハロゲン化炭化水素と激しく反応するので、これらと接触させない。

ナトリウム

空気中にそのまま保存することはできないので、通常石油中に保管する。冷所で雨水などの漏れが絶対にない場所に保存する。

アクロレイン

各種薬品の合成原料、探知剤(冷凍機用)、アルコールの変性、殺菌剤。
多量の場合、漏洩した液は土砂等でその流れを止め、安全な場所に穴を掘る等してためる。これに亜硫酸水素ナトリウムの水溶液(約10%)を加え、時々攪拌して反応させた後、多量の水で十分に希釈して洗い流す。この際、蒸発した本成分が大気中に拡散しないよう霧状の水をかけて吸収させる。

ピクリン酸

飛散したものは空容器にできるだけ回収し、そのあとを多量の水で洗い流す。なお、回収の際は飛散したものが乾燥しないよう、適量の水を散布して行い。また、回収物の保管、輸送に際しても十分に水分を含んだ状態を保つようにする。用具および容器は金属製のものを使用してはならない

フェンバレレート

魚毒性が強いので漏えいした場所を水で洗い流すことはできるだけ避け、水で洗い流す場合には、廃液が河川等へ流入しないよう注意する。

黄燐

自然発火性のため容器に水を満たして貯蔵し、水で覆い密封して運搬する。

キシレン

引火しやすく、また、その蒸気は空気と混合して爆発性混合ガスとなるので火気は絶対に近づけない。

ベタナフトール

空気や光線に触れると赤変するため、遮光して貯蔵する。

アクリルニトリル

炎や火花を生じるような器具から離し、また、強酸と激しく反応するので、強酸とも安全な距離を保ち貯蔵する。できるだけ、直接空気に触れることを避け、窒素のような不活性ガスの雰囲気の中に貯蔵する。

セレン

灰色の金属光沢を有するペレット又は黒色の粉末で、水に不溶。硫酸、二硫化炭素に可溶。

無水クロム酸

暗赤色結晶で潮解性があり、水に易溶。酸化性、腐食性が大きい。

硝酸銀

無色透明結晶。光によって分解して黒変する。強力な酸化剤であり、また腐食性がある。水に易溶。アセトン、グリセリンに可溶。

クラーレ

もろい黒又は黒褐色の塊状あるいは粒状で、水に可溶。猛毒性アルカロイドを含有する。

ヒドラジン

ロケット燃料

フェノール

皮膚や粘膜につくと火傷を起こし、その部分は白色となる。誤飲した場合には口腔、咽喉、胃に高度の灼熱感を訴え、悪心、嘔吐、めまいを起こし、失神、虚脱、呼吸麻痺で倒れる。尿は特有の暗赤色を呈する。

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