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名古屋は大昔から豊か

先に書いた名古屋人の気質の背景にあるもの。
それは名古屋という土地が太古の昔から豊かであるという事実から読み解けば、すべて合点がいきます。

根本的に名古屋という土地はずっと豊かです。
京都や大阪と江戸の真ん中に位置する広い濃尾平野には、6つもの大河川が絶えることなく水資源を豊富に供給してくれます。水とともに豊富な山の栄養を蓄えた広い大地。日照りもよく農産物が毎年きちんと取れます。

災害も他の土地に比べると局地的なものが多く、歴史的に見ても伊勢湾台風が突出している程度。

大地から振り返れば、木曽には山の幸、木材資源、金山、銀山も昔はあり、反対に目を向けると比較的浅い三河湾、伊勢湾から塩や小さな魚、貝、海老などが簡単に取れます。

土を掘ると粘土も多く、焼けばセトモノの語源が瀬戸のものから来たことでも判るように焼き物ができます。

コメが豊富に取れるので、酒、味醂、酢など醸造文化も発達、、つまり何もしなくても基本的に豊かな場所なのです。

考えてみたら戦国時代に京都に近く、日本の真ん中で兵糧にも困らない場所に三英傑が出てきたのも肯けます。江戸時代もこのあたりは多くが徳川家や天領でした。

ある人曰く、日本で自給自足、独立できるのはこの地区だけだ、と。

だから、新しいチャレンジはむしろリスクと捉える価値観が生まれました。普通にしていても一定量の作物がなるのに、増えるかもしれないけど新しい肥料などを撒いて減ったら一大事。
持たざるものとは違うのです。

現に昔からの小金持ちが多く、価値観としては次の代に資産を減らさず遺していくことがとても大切。投資が投機に見えるのも無理はありません。合理的で堅実になりますよね、そりゃ。

またあえて豊かな土地であることを他所の人に宣伝する必要はありません。外から人が入ってきて豊かさを取られちゃ大変ですもの。外から来る人に対し、人見知りで排他的になるのはそのせいです。だから観光都市にはなり得ません。

尾張名古屋は城で持つ。城下町として発展した名古屋を中心に、お茶や和菓子、着物など日本文化が根付いていて、良いものをきちんと知っています。
但し、お金を減らさないために、普段は質素倹約、食べ物だってフグなど取れてもお江戸に運んで高く売り、自分たちは手羽先など捨てる部分を胡椒辛く濃く味つけて安く済ませている訳です。

ただ面白いのは、普段質素にしているからこそ、爆発するときはぶっ飛んだ発散を生み出します。分かりやすいのはお祭り。寺社が多い此方では年中面白いお祭りが各地であります。ど祭りというお祭りでは老若男女が41度の真夏に躍り狂います。結婚に纏わる儀式も派手なのは有名ですね。

美的感覚もまた、ときにぶっ飛びます。
お城のシャチホコが金色だからなのか、キンキラキンは象徴的に好きです。景観やファッションも引き算の美ではなく、足し算の美。色の数がやたら多かったり、なんだか盛り盛りにしたりする方が好まれているようです。

ファッションをお金の観点から見ると一点豪華主義。時計、車、靴、ブランド品、結構他の人に分かりやすいところで主張します。たぶん、見えないところは意外に質素。

僕にはホンマは持ってんねんで!
っていう名古屋人の密やかな?笑、誇示のように思えて愛らしいなって思います。


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