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家族の存在

2020年3月31日 母 手術の日

朝の8時半から急性大動脈解離の手術が始まる。
約13時間に及ぶ大手術が行われた。

私と父と姉は家族控え室で手術が終わるのをじっと待った。

主治医の先生から手術終了のお知らせを受けたのは夜の10時前。

無事に手術が終わり母と対面させてもらう事に。

ICU(集中治療室)に入り母を見た時、色んな感情が込み上げてきて胸が苦しくなった。

とにかく頑張ってくれた母に「お母さん、ありがとう」と心の中で強く伝えた。

手術をしてくれた先生が私達に手術での状況を丁寧に説明してくれた。

先生の汗だくの姿に、とても大変な手術だったことが伝わり、母を救おうと必死になってくれたんだなと。本当に先生方への感謝の気持ちでいっぱいになった。

「ありがとうございました」

と深々と私達は先生に伝え病院を後にした。


2020年4月1日 意識が戻る

主治医の先生から、意識が戻ったという報告を受け
コロナの影響で本来なら面会は極力できないが、許可をしてくれて母と会える事に。

まだ自律呼吸ができない為、口に管が入っており筆談での面会となった。

手もはっきりは動かせず、母が私達に何を伝えたいのか最初全く分からなくて、何度も“違う!”と首を横に振られた。

母も頑張って何度も伝えてくれて、やっとお互い理解できた瞬間みんなで号泣。

最初に発した言葉は「デジャブ」だった。

え?!(なんで、一発目の言葉がそれ)と思ったけど、私達が母の元へこうして集まってる光景を3回見たという。

きっと母の「生きたい」という想いと

私達が母に対して願っていた想いが伝わり母の元に出てきたのかなと思った。

「お母さんこっちだよ」って呼んでたのかなって。

そう思うと涙が止まらなくなった。


自律呼吸ができるまで5日かかりやっと口の管が取れた。

少しずつ会話ができるようになり、少しホッとした。

ICUから一般病棟に移り、LINEで連絡のやりとりができるようにまで回復。

ここから約4週間入院をし、4月24日に無事退院をした。

当たり前だと思ってた家族の存在。

家族の大切さ、有り難み。

私達家族は、この経験を通して大きな事を学びお互いを思いやる心を忘れず、更に一致団結して前に進んでいる。

母の担当をして下さった先生方

そしてコロナの影響で院内感染防止などで大変な中

私達家族に優しく接して下さった医療従事者の皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。

本当にありがとうございました。

現在、母は元気です!リハビリの為毎日一緒に散歩しています。1日一万歩が目標。

健康第一。


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