見出し画像

実りと収穫、または収奪

週末、快晴でかなり暑かった。秋晴れというには気温の上がり方と陽射しがきつい。帽子を被っていても日に焼けたのか、首筋から扁桃腺にかけて痺れるような感じがあった。この季節に冷たいシャワーが気持ちいい。
朝晩は涼しいんだけど、とみな枕のように口にする。


金魚といえば夏の風物詩だが、じつは冬越しのために池上げするこれからの季節が本番だ。飼い込まれた魚が市場に出回りはじめる。親しんでいる者には常識だが、一般にはあまり知られていない。米や無花果、葡萄、梨らと同じく、錦鯉と金魚は実りの秋を知らせる作物と呼んでもいい。生産者の人たちのかき入れ時だろう。

画像1

外に出て日を浴びた錦鯉や金魚、牛を見ていると何ともいえない充実がある。人一倍肥大した自分に中毒を起こしそうになると、水換えをしたり餌をくれたり、一緒に植えている水草を間引いたり。出発点が自分ではない即物的な世話が、生活の基調になる。

画像2

カエルの餌にするためときどきミミズを獲りに行く。カエルは動く生き餌にしか反応しない。ペットショップに行くとコオロギやミルワームが売っているが、自分で獲るならミミズが一番簡単。コオロギはちょうどよい大きさのものを大量に獲るのが難しい。

水の張ることのない葉っぱや土が溜まった側溝など、近所でミミズのいる場所を把握できるようになると、土に興味が湧く。ミミズの糞が作った団粒状の土は通気性と保水性を兼ね備えて黒い。ミミズのいるところには、ハサミムシ、ゲジ、ダンゴムシ、ワラジムシ、シデムシなんかがいる。

シデムシは「死出虫」と書く。

画像3

秋が深まりあまり糞自体をしなくなったのもあるが、ミミズを主食にするようになってから蛙のプラケからあまり匂いがしなくなった。土のような、墨のような匂いしかしない。コオロギを食わせた蛙の糞は、とても臭いのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?