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『アラジン』 (1992年) : 映画レビュー

1. 概要
公開:1992年
製作:ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ
監督:ジョン・マスカー、ロン・クレメンツ

2. 映画見ての「考察」
 この『アラジン』という作品が一番伝えたかったメッセージ、それは”内面こそが重要である”ということであると感じた。この作品では「自由」というテーマが深く扱われている。物語の冒頭では多くのキャラが自身の地位などから「自由」を拘束されており、それに嘆いている。アラジン、ジャスミン、ジーニーなどはそれのわかりやすい例だと思うが、ジャファーなども「サルタンに仕える身」という点から「自由」を拘束されており、その身分にうんざりしている。物語の中盤では自分の身分による「自由」のなさから脱却しようと、キャラたちはいわゆる”ズル”で取り繕うとするがそれらはうまくいかない。それは何故か、それは”外見ではなく内面こそが重要である”というこの作品のメッセージが関係してくる。結局愛する人と一緒にいることを可能にしたのは”王子”という地位ではなく、アラジンの内面/性格にあった。これに気づき、”王子になる”という執着を手放し、最後の願いでジーニーを自由にするというシーンは毎回感動で震えが止まらない。物語の冒頭で「自由」を拘束されていた主人公たちが全員「自由」を勝ち取るというストーリーアークも素晴らしい。

3. 感想・評価
評価:★★★★★
 一言でいうと素晴らしい。個人的にディズニー作品の中でも余裕でTOP 5に入る。さすがは”ディズニー・ルネサンス”時代の作品。
 まず、キャラが一人一人素晴らしい。主人公のアラジンだが、彼の起こす一つ一つのアクションがもう彼の素晴らしさを物語っていると思う。苦労して盗んだパンを飢えている子供に渡すところや市場で困っているジャスミンを救うところなど。あと注目して見てみると、彼が一つ目の願いを考えるよりも前に、真っ先にジーニー自身の望みを聞いている。この利他的で優しい性格こそが、彼が”ダイヤの原石”に相応しい人である所以であると感じる。素晴らしいキャラで言うとジーニーももちろん挙がってくる。個人的にディズニーキャラの中で一番面白いキャラだと思い、もう彼がいるだけでそのシーンが魅力的になる。レジェンド級のコメディアンであるロビン・ウィリアムズの演技も合間って、ディズニー界でもトップ級に魅力的なキャラに感じる。あと、サルタンやイアーゴなどのサイドキャラや、全く台詞がない魔法の絨毯もいいキャラをしており、総じてキャラが素晴らしい。
 あと、これは言わずもがなだが、楽曲がどれも素晴らしい。「アラビアン・ナイト」や「フレンド・ライク・ミー」、「アリ王子のお通り」や「ア・ホール・ニュー・ワールド」など、『アラジン』に入っている楽曲は個人的にどれもディズニー作品のなかでもトップ級に好きな楽曲ばかりである。
 セバスチャン、ピノキオ、グーフィー、野獣など、カメオ出演している他の作品のディズニーキャラの数が多いっていうのもDヲタとして見ていて楽しい。ストーリーも素晴らしい、キャラも素晴らしい、楽曲も素晴らしい。個人的にめちゃくちゃ大好きなディズニー作品である。

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