八百屋さんでセロリを買うみたいに。
こんにちは。id_butterです。
八百屋さんでセロリを買うみたいに、わたしが買ったもの。
それは、男性というか、男性との時間というか、つまり性的な(ものを含む)マッサージ的なサービスである。
昼間から、こんな記事あげる…愚かものか笑
だって、今ってなんかきた気がするの。
このときくらいから、ムクムクと衝動がわきあがってきていた。
もう、義理立てしなくていいんだよね?
心配してくださった方々、本当にありがとう。
わたし、こんなにも元気です (о´∀`о)
真面目なトーンに戻すと、感情と肉体的な欲求を切り離してみたいな、というのが一番近い。
いや、好きなひととするのが一番いいと思うよ。
でも、そうじゃなくてもいいって場合もあると思うのよ。
切り離してはいけないもの、という思い込みに苦しめられている今、切に願ってしまうの。
切り離して、この衝動をどうにか処理したい。
感情を完全に切り離すためにわたしにとって一番重要なこと。
それは、お金を払うことだ。
つまり、相手はプロ一択になる。
そして、母である以上個人情報の漏洩は避けたいから、知り合いとかに絶対知られないことと、そのときだけ(何なら一回だけ)会うこと。
さらに、危険がないこと。
この危険、というのが厄介だった。
今のわたしはエネルギーをものすごくもらいやすい体質になっているし、病気や妊娠の危険もあるから、絶対に本体の挿入は避けたい。
それどころか、相手からちょっとでも欲情的な何かが発せられたら逃げる。
マウントとってくるとか逆に表面だけすごく持ち上げられるとかも無理。
その状態で、性的な何かをやり取りする。
さらにそのような高級なセロリを会わずに見つける、というのが難易度が高すぎた。
そして、できれば激安スーパーではないところで購入したい。
何だろう、すごく美味しいカレー屋さんのレジ横で「うちのオリジナルにはこのセロリ使ってます」的に売られているようなイメージ。
つまり、モノを買いたいんじゃなくて、ストーリーを買いたい的なこと。
うるっせーな、と思われているのじゃ重々承知している。
で、とうとう見つけたのだけれど、勇気が出ない。
うかうかしていたら、数日前から急に声がするようになった。
そう言われても…なんのことか、さっぱりわからないのだった。
心当たり?はありすぎる。noteに書くほどあるのだ。
待っても出てこないので、もう一人じゃダメなんだという結論に達した。
意を決して申し込み、セロリを買いに行ってきたのが先週末のことだ。
総合的にどんなだったかだけ、書いてみる。
(その詳細はいつか有料版に書けるかも、くらい…期待させた方ごめんなさいm(_ _)m )
感情をやり取りしたくない、というのはわたしが浅はかだった。
信頼も感情で、たぶん信頼がないと快感が得られないのだ。
そういう意味で、そのひとはプロの職人だった。
人形職人はきっと愛情を込めて人形を作っている、そういう感じ。
後腐れがないような瞬間的な、でも極上の愛情としかいえない豊かさに満たされていた。
過ごした時間は5時間弱。
そのひとが集中を切らした瞬間は一度もなく、わたしは一切そのひとに気を使うこともなく、体感に溺れていた。
わたしが男性といて、一瞬も恐怖を感じなかったことは人生初かもしれなかった。あれだけ大好きだった夫からも、逃げ回っていたというのに。
そのひとは、空気のようで水のようで太陽のような不思議なひとだった。
ひんやりとして静謐なのに、どこか温かい。
さらさらと乾いているようなのに、しっとりと濡れている。
その印象がユラユラと変わっていって、掴めない。
終わった後、わたしはほとんど喋らなかった。
賢者タイムが自分にもあることを初めて知った。
とはいえ、快感を貪ったひとはもうわたしの中で寝ている。
その子は「わたしちゃん」とよぶ。
倦怠感の残る体を急に渡されて戸惑い、目の前のそのひとにどう接していいかわからなくなる。
わたしがシャワーを浴びている間に、シーツは新しいものに代わっている。
そのひとが座っているそのシーツの上に、わたしはもう乗らなかった。
あれだけ近くにいたのに、服を着た瞬間からきっちり2mの距離を空けるわたしに、「バタ子には二面性があるんだね。」とそのひとは言う。
その言葉には棘も好奇心も驚きも何もこめられていない。
何も期待されていないことに、心底ほっとした。
いろいろ話しかけられて、答えはじめたとき、ようやく頭が回りだした。
別れ際、「最後にハグしていい?」と聞かれたので、そのまま体を預けたら、理由はわからないけど涙が止まらなくなった。
背中に置かれた手は、もう熱くなかった。
マッサージのときだけ熱を帯びるんだな、きっと。と思った。
「ありがとう」といいながら、体を離した。
わたしの涙に気づいたそのひとの表情が少しだけ揺れた。
このときに急に実感がわいた。
このひと、人間だ。
これは、現実だ。
すっかり我に返った帰り道、徐々に母親モードに戻さなくては、と思うけど全然無理だった。
初めて訪れる知らない街を歩きながら、理由もなく涙が止まらない。
少し落ち着いた帰りの電車で、そのひととの会話を思い出していた。
たぶん、全部今のわたしに必要なことだとわかった。
あのひとには全部見えているみたいだった。
わたしは、ずっと自分に蛇口とかドアとかを取り付けたかった。
流れてあるいは飛んでどこかに行ってしまいそうな自分を、コップや箱に入れて地上に閉じ込めたかった。
でも、自分のやり方でどういう風にやっても、窮屈になるだけでうまくいかなかったのだ。
うまくいくやり方をあのひとは知っているらしい。
こんなことを考えていて、思い出した。
20年前のバタ子が、さっきあのひとの前だけに現れた「わたしちゃん」を封じ込めた理由。
「わたしちゃん」は、除霊できない霊媒師みたいなのだ。
感覚は鋭いし、感受性が高い。
感じる力だけが人一倍あるのに、何もできない。
今、エネルギーを感じる感性だけがあって制御できないのと同じように、幽霊を見るだけ見て困っていた。
心だけじゃなくて、体も敏感で、ちょっと触られたらすぐに気持ちよくなって誰にでもほいほいついていく。
そのひとりの「わたしちゃん」がやらかしたら最後、「好きじゃないひとと致してはいけないルール」により、「バタ子」という総合的な人格は相手を好きにならなくちゃいけないと考える。
痛い目を見た瞬間、体を放り出してその「わたしちゃん」はいなくなる。
責任を取るのは常にわたしなのだ。
キャバクラで働くには危険すぎる「わたしちゃん」は、封印された。
こんなことを考えていたら、母親モードどころか、日常生活に戻ることすら難しく思えてきていた。
普段の現実が、遠く感じる。
この声を皮切りに、いつも通り色々なひとがわたしの中でしゃべりだした。
わからないよ、そんなの。
知られるはずがない、と普通のひとは思う。
けれど、わたしは男性と接触すれば、彼に伝わると確信している。
エネルギー繋がっているということはそういうことで、便利なようで不便なものだ。
かといって、もうフラれているのだから失うものはないのだ。
それでも、今まで我慢していた。
嫌われるのが怖かったのと、エネルギーがいなくなるのが怖かった。
今回は、もう一人ではこれ以上進めないという感覚が勝ったのだ。
そうなのだ。
予約のメールを送って2日後にはもう、わたしは八百屋の店内にいた。
どんだけよ。
わたしは、20年ぶりくらいに認識した「わたしちゃん」が自分の中にいることを認めるのが、本当に本当にいやだった。
気持ち良さ以外はすぐにどうでもよくなってしまうひと。
それを後押しする、感覚お化けみたいな自分の体も。
彼女は今はもうどこかにいってしまって、気配すらない。
そうかも。
「わたしちゃん」により引き合わされたそのひとはちょっといたずらっぽい目つきをして、わたしに言った。
「さっきはあんなに『性』と仲良しだったのにね。」
二面性の話の下りの後だったと思う。
「でも『性』は、わたしのテーマな気がする。いやでたまらないのに、いつもその周りをぐるぐるしている。」という言葉がわたしの口をついて出た。わたしは、そうなの?と人ごとのように思いつつ、頷いた。
たしかに、わたしのいやなことはいつも「性」の近くにある。
依存したらいやだな、八百屋に入る前にそう考えていたことを思い出した。
万に一でも好きになっちゃったりしたら、困る。
彼の知らない、痩せたとはいえちょっと私のポッコリしたお腹をみたひと。
今の発展途上のわたしを知っているひと。
瞬間が重なっていく。
彼と過ごした日々の上に、別のひとと何かを交わす瞬間が重なって、過去を覆い隠して見えなくする。
消えてなくなっても、もう気づかない。
彼が知らないわたしがどんどん増えて、それを知る誰かも増えていく。
わたしの知らない彼が増え続けるのと同じように。
そのことに、ずっと傷つき続けて、打ちのめされた。
スピリチュアルな人に、「執着はダメだ」とか言われてしまうやつだった。
誰かが怒ったように叫んだ。
あ、わたしそんなこと思ってたんだ、と同時に本当に好きだったんだと思えた。けっこう傷ついていたのだ。
最近自分の気持ちもよくわからなくなって、離婚したから好きにならなくちゃ的なことだったのかとか思い始めていた。
「だから何」だし、「今更」、ではあるんだけど。
でも、好きでい続けたかったというのはあった。
そういうわたしのままでいると、居心地がいいような。
このままでいたい、たぶん彼と同じことを、違う意味で考えていた。
noteのタイトルも変わっちゃうしね。
乗換えで、通りかかったエシレに立ち寄った。
子どもの話をしながら、店員さんとお菓子を選ぶ。
母親モードに戻るためだった。
そろそろ本当にタイムリミットだった。
お金を払いながら、すっかり軽くなったお財布を見つめる。
心から、安心していた。
お金を払えばあの空間に行ける。
そう思ったら、もうひとりでもだいじょうぶなんだと全バタ子が安心した。
家にはまだ子どもたちが帰っていなかった。
しまいわすれた洗濯物を畳みながら、夢みたいだったなと思った。
でも、現実だった証拠として、体の真ん中に火が残っていた。
「今ここにいるって、意識して。忘れないで。」
何度も繰り返された言葉が今日も耳にリフレインする。
免責事項
最後に言い訳するのですが、わたしのこのサービスの利用目的は邪道です。
本来はこのように使われるサービスとして意図されていないものを、わたしが悪用しているかもしれません…ということで、もし質問されたとしてお店の名前は口が裂けても言えません(*´◒`*)
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