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ふられたあと

こんばんは。id_butterです。

ふられたのち、当然色々考えていた。
右往左往?七転八倒?…まぁそんな感じ。
けれど、意外にも日常生活は普通に送れていた。
自分がメンヘラだと思っていたのに、肩透かしを食う。(よかったじゃん)
まぁ単に慣れたのだ。
自分の中に手をつっこんで痛いところをひっつかんで外に出して手当てするという一連の作業に。

最初は怒っていた。
感情に対して、理性で答えるという彼の姿勢になぜか怒っていた。

そのあとは、とりあえず痛がらなくちゃと思った。
痛いけど、痛いからこそ何度もなんども彼の書いた二行を読み返した。
ここで味わいきらないとだめだともうわかっている。
ばかみたいに泣くのを繰り返す。

今度は悲しい、というよりくやしいと思った。
何が?選ばれなかったこと、自分を責めるような気持ちだ。
こういうときは悲しいものじゃないのかな。
なかなか、悲しいにたどり着けない。
今まで感じていた「好き」が嘘くさく感じる。

そして、あれ?と思った。
もはや定番となった、自分への違和感。
彼とのことは、いつも自分の問題に帰結するのだ。

表面で起きていることに振り回されると見逃して長引く。

言えなかったのにな、とふと思った。
今回彼にふられたわけなのだが、わたしは彼に言えなかったことがある。
だいすきと連呼しながら、「つきあって」のひとことが言えなかった。
けれど、なぜかつきあえない、的な感じで脈絡なく今回ふられた。

こういう会話のキャッチボールが成り立ってないときって最近多い。
彼とのことに限らない。
こんにちはと挨拶したらこんにちはって返ってくるのが普通。
だけど、なぜか無視されたり、「今日はいい天気ですね」って返ってくる。
こういうときって「なんかある」んだよな。
できごとではなくて、自分の状態にフォーカスする。

今回は、とちょっと自分を取り戻す。

なんで言えなかったか、ってことだよね。
と思いついた瞬間、もはや定番となった脳内劇場が始まった。
いつも通り、観客はわたし一人。

だいたい、ありえなくない?
年下の上司に恋するとか、ほんっと恥ずかしい!

タイトスカート履いているインテリ風のお姉さま

急な批判に頭がついて行かず、涙がボロボロ。

美人でもないし、デブのババァのくせにさ〜。

タイトスカート履いているインテリ風のお姉さま

容赦ない批判がさらに続く。
ほんと、わたしって容赦なく批判するのよね。
これも克服したつもりで、残ってたのか。

子どもに言えるの?
恥ずかしくないの?
40過ぎて母親のくせに。

タイトスカート履いているインテリ風のお姉さま

ザックザク。
もはや傷口におっきなシャベルを振りかざすかのごとく、容赦がなかった。

女って汚くない?
なんていうかどこまで欲深いの?
その欲しがってる感じがほんとに浅ましくておぞましい。

タイトスカート履いているインテリ風のお姉さま

サンドバックだ。
なぜか今回はどこからも助けが来ないぞ。
そう思いつつ、やれやれ〜やってしまえ〜みたいな野次馬的な気持ちすら湧いてきた。やられるのはわたしなのだけれど。

インテリ風のお姉さまは結構ヒステリックだった。
泣き喚いていて、たぶん本人の方が苦しいのだ。
そう思ったら、涙が止まって急に喋り出す。

あなたがそんなにいやなら、好きなのやめるよ。
今まではやめないことが自分のためだと思っていたの。
でもあなたが苦しいならいつでもやめられる。

さっきまで泣かされていた本体のわたし

カットイン。
いや、話してる途中なんだが?

いやいや、違うんじゃない?
そういうことでもないんじゃない?
それはそれでさ、、、

漫研に入ってそうなちょいオタの女の子

さらに誰かが割り込んでくる。

いや、わたしは好きだからね!
彼がどう言おうと好きなんだからね!
あんたたちは勝手にすればいいじゃない、わたしも勝手にするから!

髪の毛長くてふわふわの女の子

と言われても、全員でひとりなんだが…と言ってるそばから走っていなくなる。
言い逃げかよ。
人の話聞けよ。

だいたいさ、愛ってなんなのよ。
それって何にも役に立たないじゃない。
優しさだって、結局ただの暴力だったりするじゃない。
片思いだって、相手に迷惑なだけじゃない。
自分だってそう思ってたくせに、反論できるわけ?

タイトスカート履いているインテリ風のお姉さま

愛について反論するの、わたしですか?
さっきの女の子が出した議題なんですけどー!!!
けど、もう彼女はどこにもいなかった。

恐る恐る話しだす。

あのですね。
恋とか愛とかに関わらず、何らかの感情の「片思い」って常に在ると思うんですよ。それは、友情とか欲情とか、憎しみとか。
いいとか悪いとかじゃなくて、それは伝えなかったとしても、「ある」んですよ。そして、無意識でも影響を与える。
ずっとそれをうまく処理できなくて、扱いかねるからわたしもいやだった。
でも、それはあまりにも貧しいし、それはそれでもう限界がきてる。
「いやだ」のたびに罪悪感が増えていくから、キリがないのよ。
それに、ほんとうは受け取りたい、、、ですよね?

本体のわたし

愛が欲しいと言いながら、誰かから好意を向けられれば牙を剝く。
怖い。
そう、怖いからだ。

今までの「ない世界」や闇に馴染んでいるわたしには、光は恐怖だ。
このときの体験は今も続いている。
で、そのときに、実はただただ怖くて泣く。

そういえば、この恐怖はセックスにも似ている。

単に未知の世界が怖いのかもしれない。
試されているような気になる。
覚悟を問われる感じもある。未来をあるいは自分を懸けているような?
それが嘘だったときに、あるいは壊れたときに、耐えられそうもないから。
堕ちたら?戻ってこられないかもしれない。
甘いものは大体その奥に罠があるはずなのよ、と誰かが囁いている。
そうね、依存への恐怖もあるかも。
あれだけがんばって逃れてきたのにまたかよ。

そうなの、恋愛って依存という側面があるのよね。
ちょうどよくお互い半々くらいで依存すれば結果的に「いい恋愛」として認定される。
けど、わたしには扱いかねる。もうあんな地獄耐えられない。

あんなに必死で逃れてきた「依存」にまた足を踏み入れるの?
うまく溺れる、的な???
たぶん自分がしっかりしていれば、溺れても墜っこちても戻ってこられるんだろうなぁ、と想像する。

怖いなぁ。
まだ、怖い。
光を見なくちゃいけないことは、頭ではわかってるのだ。
でも、信じきれない。

愛が欲しいと言いながら目の前にあったとしてそれを受け止めきれない。
わたしなんかが、と思うことを止められない。
いつも受け取れない理由を探している、及び腰な感じ。

結局、わたしは自分を許してないのだ。
自分が離婚したことも、恋をしたことも、何もかも。
自分ががんばったことも、何も認められないのだ。

ここまできて、最後に、そして唐突に思った。

彼に謝りたい。
ごめんなさい。
なんか、傷つけた気がする。



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