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ベルーガ様のデザイン

1995年にENIXから発売されたスーパーファミコン用アクションRPGソフト「天地創造」

このゲームに登場する終盤の悪役、悪の科学者ベルーガ様のデザインについて勝手にアレコレ考えてみました

取り敢えずベルーガ様の神々しいお姿がこちら

藤原カムイ先生によるデザインであり、控えめに言っても悪役キャラデザとして完璧・・どう完璧なのかは後々語りたいのですが2021年9月に都内某所で開催された「天地創造展」において藤原カムイ先生にベルーガ様について質問をさせていただいたところ

・ベルーガ様はこう見えて40代半ばを想定
・コスチュームは防護服、胸のマークはバイオハザードマークをイメージ

という新事実?を確認しましたので補足まで

第一章:老紳士ベルーガ様誕生

「天地創造」が創造される最初の設定書?に藤原カムイ先生の手によって落書きの様に描かれたコチラ(写真の上方の人物)が恐らくカムイ先生の中で最初にイメージされたベルーガ様なのではないかと思われます

なんというか、とても40代半ばには見えないし、科学者というよりも裕福な老紳士の様な佇まいですね(以降:老紳士ベルーガ様)

そしてこの老紳士ベルーガ様の全身像が描かれたのがコチラ

溢れ出すダンディズム!そして杖をついている事から察するに、左脚に何かしらの難を抱えている事が見てとれます

古来から悪役をデザインする方法の一つとして、身体のどこか(眼や腕や脚など)の欠損部分を創る事によってシンメトリーが崩れ、悪役認識し易くなるやり方があるそうです

老紳士ベルーガ様も左脚に問題がある事が、何か悪事の根源的動機に繋がりそうな含みを感じますね

ただ、この時点で決まっていない設定だったのか?科学者要素が皆無なのが決定稿との1番の違いです

第二章:おじいさんベルーガ様誕生

次に第二案として?描かれたベルーガ様がこちらです

[ベルーガ2]と書かれたマッドサイエンティスト感を全面に押し出した高齢なベルーガ様(以降:おじいさんベルーガ様)

嫌われ系悪役としての要素は飛び抜けていますが、老紳士ベルーガ様に比べると威厳が少なくなりました(逆に老紳士ベルーガ様は決意を秘めた様な眼差しが完全悪役としては振り切れていない?)

第三章:皆んな大好きベルーガ様爆誕

冒頭ににも添付しましたが老紳士ベルーガ様から威厳を、おじいさんベルーガ様から悪の科学者感を抽出して良いとこ取りした決定稿ベルーガ様がこちら

老紳士ベルーガ様ベースの顔は威厳を保ちつつも、ゴーグルを装着する事によって考えが読めない不気味さを演出

更に、おじいさんベルーガ様の様なマッドサイエンティスト感を出すために用いたのは白衣ではなく防護服コスチューム!これによって他作品で見た事が無い潔癖で左右対称なデザインの見事な悪役感が漂います

また、「天地創造」の主役であるアークが古代アステカ文明っぽい複雑な装飾のデザインに対して、真逆の未来的コーデのベルーガ様という

善と悪が全く違うバックボーンを持つ事が絵的に見てとれまして互いを引き立て合うだけでなく、「天地創造」の世界がいかに壮大な物なのかを感じさせられて興味を惹く事にも繋がっていますよ

第四章:キャラクターとしてのベルーガ様の魅力

以下ベルーガ様という唯一無二の悪役キャラクターの好きなところ(デザイン以外で)

ゲーム中、ベルーガ様は決して非科学的な場所には登場しない(地裏などもっての他、信徒の村にすら来たりしない)

ゲーム中、ベルーガ様は決して声荒げて怒ったりしない(常に口調は丁寧)

ゲーム中、ベルーガ様は決して自分自身では戦わない(戦闘など愚か者のする事なり)

など常人では理解不能な領域に到達している天才感、大物感を最後まで貫いているところがまた魅力だと思います(ダークガイアさまー・・みたいな最後の台詞は忘れましょう💦)


決定稿ベルーガ様誕生までの変換を追ってみましたが、自分の知っている限りの情報しかソースが無く、主観も多く入るため事実で無い可能性もあります事をご理解ください

ではではグランドモスクから愛をこめて

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