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待ち時間を伝えられない理由

高萩徳宗です。

しばらくハワイがご無沙汰です。4年前に書いたコラムを再掲してみます。

日本の飲食店のサービスの
ピントがズレているのは
消費者側にも問題があると言うお話です。

ハワイに行くと、障害の有無にかかわらず
お客様は元気にハワイを満喫されます。

過剰な気遣いなどありませんが、ハワイには心のバリアフリーがあるからです。

●ハワイで感じるサービスの本質

日本のおもてなしは世界に誇れる。

良く言われます。
でも、ハワイに来ると、
サービスの本質って何だろう。
何が本当のお客さま想いなんだろう。

考えると言うより、感じさせられます。

おおざっぱでフレンドリー。
そして、お客さま想い。

ある日、お客様のたっての希望で
パンケーキが有名なブーツアンドキモズに向かいました。

観光地でもない街の、
なんということはないパンケーキのお店が、
ふとしたことで大ブレイクし、
人気の行列店になる。

まあ、良くもこれだけの日本人が
交通不便な場所に行列するものだと
感心します。

私達がお店に着いたのは
午前9時半。

すでにお店の前は人で溢れかえっていました。

私は受付のビッグでちょっと怖いお姉さんに
名前と人数を告げたら、怖い顔で

「ユーマストウェイト45ミニッツ!」

言い切られました。
ソーリーでもなく、アロハでもない。
どうみても、むしろ怒られている。

でも、私達が知りたいことは
ただひとつ。

「何分くらい待つか」です。

余計な装飾は不要です。

私、試しに時間を計測していたのです。

ピタリ45分ではありませんでしたが、
50分過ぎにまず4名、
数分後にあと4名が呼ばれました。

見事なオペレーションです。

誰にでも45分と断定しているのかと
様子を見ていると、その時々で
30分だったり50分だったりしています。

待つも待たないも自由です。

●さて、日本は

日本だと恐らく必ず言われるであろう
キーワードがふたつ。

「申し訳ございません」
「ただいま満席です」

聴いて嬉しいですか?

それ、聴きたい言葉ですか?

別に謝って欲しい訳でもなく、
言われなくても満席なのは見れば判る。

聴きたいことはただひとつ。

「何分待つのか」

ところがこの問いに明確に答えて
くれるお店は日本ではほぼ皆無。

ほとんどのお店は

「お名前を紙に書いてお待ちください」

以上、終わり。
何分待つか聴いても即答して
くれることは皆無です。

これ、誰の責任だと思いますか。

そう、お客の側が悪いのです。

「さっき、30分でいったじゃないか」
「あとから来た人が先に入ったのはどうしてだ」

些細なことでクレームをあげる 人が増えるとお店の側は防御に回ります。

私だって自分がお店を経営していたら
クレームは回避したい。

では、どうしたらいいのか?

私はやっぱり「時間を断定」することだと思います。
それが最善の解決策。

怒り出す人は、隣のお店に行って貰えばいいのです。

クレームを消すためにサービスを作るのではなく、 食べたいと思って足を運んでくれた人のために サービスの基準を作って欲しいのです。

期待を裏切らないで欲しいのです。

ハワイのサービスには余計な枝葉が
ついていません。

おおざっぱです。

それでも、サービスを受けた後に
心地よさが残る。

日本人は真面目なので

「お客さまに何かして差し上げよう」
「お客さまに喜んでいただこう」

と思って、ピントを外してしまう。

シンプルに考えましょう。

お客さまがお店を出たとき、
お客さまが受話器を置いたとき、

「心地よさ」が残ったか。

枝葉、
余計なオプションをそぎ落として、
年末年始の「サービスの大掃除」
をしてみませんか?

その余計なサービス。
なかったらお客様は離れて行きますか?

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