見出し画像

ベルテンポは障害者専用旅行会社ではありません。
障害者向けの旅行を作っているのでもありません。

旅を作るとき、障害に着目してしまうと本質から
外れてしまいます。


車イスを使う人の為の、とか
杖でも行ける旅、とか


そこをスタートラインにしてしまうと
リフトバスを使っている、休憩場所に多目的トイレがある、
介護者がいて、お風呂にも入れます。
みたいなことが、旅の売りになってしまいます。

そして、これらの旅には、いわゆる健常者の方は
絶対に参加しません。

別にリフトはいらないし、お風呂にも自分で入れるし、
この旅に申し込む動機はなにもありません。

そんな旅を作っていながら「共生」なんてキレイごとを言っても
100年経っても、永遠に無理です。永遠に居場所を区別することになるだけです。ユニバーサル社会なんてやってきません。

たとえば私がカレー屋さんに行き、

「えーと、今日は何にしようかなあ。
いつものヒレカツカレー、それともチキンカレー、ナスとトマトのカレーもいいなあ」

とメニューを見ていたら、スタッフが、

「お客様、すみません。障害者の方はこちらのメニューでお願いします。」

と渡された専用メニューには「障害者カレー」だけ。

これはおかしいですよね。
でも、旅行の世界では、当たり前のようにこの状況が続いています。

京都を旅するのに、

家族旅行
女子旅
ひとり旅
就学旅行
社員旅行
障害者旅行・・・

はおかしいですよね。

家族の中に障害がある子供がいる、
女子旅の仲間の一人が耳が聞こえない
全盲でひとり旅が大好きな人を知っています
修学旅行、社員旅行に当たり前に障害がある参加者がいる

それが社会の当たり前の姿なのに、旅行会社はいまだに
「すみません。障害者の方は『障害者カレー』単品になります。」

と平然と言う。

最近では、その障害者専用旅行すら縮小傾向なのですが。

パッケージツアーに障害者の参加を認めろとか、そういうイデオロギー的なことを言っているのではありません。

区別は差別、までは言いませんが、区別している限りは本質が見えて来ないのです。

大切なことは区別ではなく、「必要な配慮」です。

もっと言うと、配慮が必要ない障害者の方だって大勢います。

90歳のおばあちゃんと
車イスアスリートを「車イス」とか「障害者」とひとくくりにしてしまう乱暴さをどうにかしないといけないのです。

本人が「手助けは何も必要ない」と言っているのですから。


私達ベルテンポが考える旅の在り方は、

人生、一度は見てみたい風景
世界の車窓からみたいな、旅
屋台やバルで地元の人に混ざって飲む

そんなワクワクする旅に、年齢や障害、立場、職業、
関係なく参加するチャンスがあり、
気兼ねなく当たり前のように旅ができる、そんなイメージです。

ちょっと固い言葉を使うと「機会均等」です。

障害を理由に断られるのも論外ですが、
障害を理由に、
障害者ばかりが集まったツアーに参加するしか「選択肢」がないのは嫌なのです。

変なことを言うようですが、
ベルテンポの旅は、お客様にとって選択肢のひとつですから、
「ベルテンポしかない」という状態も嫌なのです。

他の旅行会社さんにも良い旅はたくさんあります。

その中で「どれにしようかなあ、迷うなあ」という状況を、
障害のある、なしに関わらず、作りたいのです。

これから先、ベルテンポの中でも多様なニーズに応えられるような選択肢を少しで増やして行きたいと考えています。

その選択肢の幅を、ちょっとだけ広げるのが、「チャレンジ」な旅です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?