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本当に大切なことは、捨てる勇気。

空気がきれいだ。

工場が止まっているからか、
自動車が少ないからか、

この数週間は、お正月の青空のように
富士山が大きく、近く見える日が多い。

非常事態宣言が出て、
人間が動きを止めることで、
地球が輝きを取り戻したのではないか。

人間とウィルスとの戦い?

地球に取っては、
私たち人間こそがウィルスだったのでは
ないか。

最近、そんな気がしている。

今、私たちに求められていることは何か。
考えるためにテレビを消して読書をしている。

テレビから何か有益な情報が得られただろうか。


「そう、この話が聞きたかったんだ」
「なるほど、そう考えればいいのか」

テレビからの情報に感謝して、
ブラウン管に深々と頭を下げたくなっただろうか。

感染者数や死の恐怖など、
不安を振り撒く情報(とも言えない雑談やタレントの感想)
を聴いて、あなたは生きる勇気が湧いてきただろうか。

新型コロナウィルス(COVIT-19)がよもやの感染拡大、
そして長期化。

友人は不安と恐怖に押しつぶされて
体調を崩して寝込んでしまった。

別の友人は小さな子供を家に閉じ込めることで
親子げんかが増えた。

そんな“些細なこと”は命の大切さに比べたら小さなこと。
正義を振り回す人からは言われるだろう。

みんな、我慢していると。

私たちが感染拡大のために、
ひとりひとりが「自分の頭で考えて」
リスクを少なくする行動を取ることに異存はない。

とは言え、
自分の頭で考えることをやめてしまった人が増えると、

日本は恐らく第二次世界大戦の敗戦前のような
思考停止の国民ばかりになるだろう。

県外ナンバーに石を投げる
感染者の自宅に張り紙をする
市役所に苦情の電話を入れる

「それはやりすぎだ」と口にする人もいるが
煽動しているのは誰だと言う話である。

亡くなられている方もいるので
不謹慎の誹りを受けることを承知で言うが、
地球から見たら人間がウィルスなのかも知れない。

真っ青な空を見て、
都心とは思えない夜空を見上げていると、
そんな気がしてきた。

工場からの環境汚染
放射能問題の放置
食べ残した食料の大量廃棄
森林破壊

海を汚し、大気を汚し、
経済拡大という錦の御旗を掲げて
地球をウィルスのように犯してきたのは人間ではないのか。

もちろん、
私もその恩恵を受けてきたから偉そうなことは言えない。

今回の騒ぎは地球からの警告ではないのか。

私たちはこれまでに経験したことのない
課題に直面している。

現状の対応はとても褒めたものではないけれど、
政府を批判したって何も変わらない。

私たちが覚悟を決めるべきは、捨てる勇気。

これまで疑問にすら思わなかった、

お金や規模が評価基準の成功定義
経済成長という名の砂上の楼閣。

今、田舎は強い。

地方の山村に住む私の仲間たちは、
いつも通り漁に出て、
いつも通り野菜を育てて
田んぼの様子を見ている。

惰性で維持されている風習や、
天下りの既得権益のために存在するルールや、

規模は力、のような賞味期限が切れた価値観を捨てる勇気。

新型コロナは恐れるのではなく、私たちに、

「で、どう生きるの」

と厳しい問いかけをしている。

人間が誕生する前、
地球規模の危機では
クラゲ以外は生き残れなかったという論文を読んだ。

人間が生き残りたければ、ウィルスと戦うのではなく、
私たちが地球に対してやってきた行いを省みるしかない。

うちの会社がどうなるか、なんて
地球全体からすれば、あまりに小さな話だ。

コロナ後の社会が必要とすれば生き残るし、
新しい価値観における社会では不要と判断されてしまえば、
新陳代謝と共に生まれ変わるだけであり、
恐れることなど何もない。

地球の、社会の審判を待つのみ。

テレビを消して、本を読みましょう。
イノベーションとは小さな気づきの積み重ね。

高萩徳宗


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