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独歩する集団(Makers University U-18 Think Big Camp 2021)

Makers University U-18 Think Big Camp

これでもかとばかりに強いビジョンを持った、10倍の選考を破った孤高の人が殴り合うと伝え聞いているこのキャンプ。
事前に知らされている情報は集合時間と場所の他には殆どない。

桜吹雪が舞う中、静かなコンクリート道を、4日分の荷物が詰まったリュックにきりきりと肩を締め付けられながら一歩一歩歩いていく。

正直に言うとオリンピックセンターに向かう道中、不安な気持ちがあった。
「私はこれからどうやって生きてくんだろう…。」

そんな生温い考えにストレートパンチ、サイドキック、懐から包丁を取り出しみじん切りにして焼いて煮込んで、お皿になんて盛り付けないでテーブルどころか世界中ににぶちまけるのがこのコミュニティでした!

さあ、あなたもこの得体の知れないもの、味見してみませんか?

(こちらは6期生の参加直後の我ながら貴重な感情です。MAKERS UNIVERSITY U-18 THINK BIG CAMPについての情報を知りたい方は、こちらからどうぞ。)


【前半アジェンダワーク(宿泊)】3/24〜29


「誤った医療情報が一人歩きしないための手段を創る。」これが、チームのアジェンダ。かれこれ3日間、作り続けて発表して、このチームでよかった!と言い合って、褒めてもらえて。

ん?

あれ、なんか違うな?

納得できないぞ?

何だこの気持ち?

温い、温いぞ、こんなに綺麗な冷凍食品はいらない。

なんか、気持ち悪い。

この気持ちに蓋をしたのが前半。

・苦しかったアジェンダワーク
苦しかった、決められた期限の中で何か作り出すには、ある程度の妥協は必要だし、何か言って壊れたものをアウトプットするのが嫌だ。だって今作れてるから。でも、どす黒いネバネバしたものが私の心に引っ付いて離れなかった。
(これ書こうか迷ったけど、自分に嘘つくのをやめるって決めたので書いとくね)

・それでも充実していたアジェンダワーク
チームが出したアイデアはレベルが高くて納得して、自信を持って作り上げたのも事実。アジェンダオーナーも伴走メンターも誰よりも本気で温かく寄り添ってくれて、あの場所で作れる最大のものを共創できた。サップとこうせいさんには感謝してもしきれない。(他チームの人から羨ましがられるほどイケメンな2人だったよ!)
客観的に見て、そこまで突っ込むところがなく3日間で直せる改善点はない。
最高のものを創れた。
皆個性があって突き詰めて全員で話し合ったし、このチームでめちゃくちゃ良かったと今でも思ってる。
まあ皆笑顔だしいっか、勉強になったと思いながらモヤモヤしつつ家に帰ってきた。


【後半ダイアログセッション(オンライン)】3/24〜29

ここからが衝撃だった。

現状を何とかしたい、でもどうしようとフラフラしていた私の脳天に僧侶の如く思いっきり喝を入れ、その警策を大きく振りかぶって背中にプロ野球選手並みのフォームで叩き込んで私をぶっ飛ばした佐俣アンリさん。

何となく同調圧力がある空気に漂いながら、こんなもんか〜、活動的な人と知り合う感じか〜と無意識に思っていた私に強烈なビンタを食らわして張り倒して、立ち上がろうとしても何度も何度も全力でビンタする黒越誠司さん。

私の迷っている心を見透かしたかのように、口の端に冷徹な微笑を浮かべる山田進太郎さん。

直接お話しすることはできなかったけど、言葉の一つ一つを私の中でぐっすり眠っていた猛禽類に石を投げつけた小笠原治さん。

強烈なアベンジャーズ。

MAKERSの先輩も同期も、勿論事務局の方々も、皆の熱意は春風に頬を撫でられているように感じることができた。

彼らはハリケーンだった。しかも、目のないハリケーン。声を押し殺して泣きながら、グラグラしていた地面にへばりついていた私を一気に持ち上げ、今、あれ、ここどこ?となっている。

新しい世界

今まで私がいた世界の話をする。
グラグラする地面、一寸先も見えない真っ暗闇、ベタベタしたものが私を地面から離さず、頼れるのは過去に這いつくばってきた足跡だけ。それを震える手で探って、向かう先を霞んだ目で何となく定め、周りから聞こえる声は信じれない、何が正しくて何が間違っているのか、急に現れた人が私の肩を思いっきり揺さぶって捨てていく、そんな世界に生きて息苦しくなって笑顔を貼りつけながらも何度も何度も憤りを感じて誰にも届かない叫び声をあげて涙なく泣いていたとき、この強風が発生した。

今私は、自分がどこにいるのかわからない。頭はぼうっとしてるし、明後日は大学の入学式だけど、道がわからなくて途方に暮れるかもしれない。道を聞ける人も誰もいない。
わからないけど、目の前には金色に揺れる、今にも溶けそうな柔らかい草原が、どこまでも、さわさわと音を鳴らし、それ以外は何も聞こえない。いや、遠くの方で微かに川が流れる音が聞こえる。
うん、とりあえずそっちの方向に向かってみようかと一歩を踏み出そうとして、足の軽さに驚く。あれ、あのネバネバしたのはどこにいったの?ああそうか、ハリケーンで全部吹き飛ばされちゃったんだ。
暖かい風が全身を包み、ふと見上げると甘い味がしそうなふわふわした太陽が私に微笑みかけて羽のように柔らかい光を差し伸べている。足跡もつかないぐらい、体が軽い、軽い、あれ、私、今地面から浮いてるじゃないか。少しまどろむ。

このままどこまでも行けそうと感じた3/25。


もうちょっと具体的に書くと、

【今までの私】
・言葉にしないと何も伝わらない、人間は言葉でコミュニケーションを取るべきだ。
・周りの人はいつ私を利用して捨てるかわからない、最初から誰にも期待しないべきだ。
・結局結果が社会を良くしていくから、早く行動して早く現状を変えなくちゃいけない。

【今の私】
・人間は言葉が全てじゃない、というか言葉はそこまで大事じゃない。何が大事なのかはこれから見つけていけばいいじゃないか。
・周りの人って誰やねん。いないよ、そんな人。
・結果が社会を良くしていっているように見えるのは、そこだけしか取り上げられないから。今できる少しのことでも社会を良くすることはできるかも。

【MAKERS U-18で得られたこと】
・何かができない自分を許す心
・断定しない語尾
・言葉と結果に囚われない人生

【後悔していること】
・皆と本気でぶつかり合えなかった。アジェンダワークのときは昔の苦しんでた私だったから。
・前半、もっと自分中心に考えれば良かった。
・まあ、自分中心だけっていうのも味気ないよね、今度はどうしようかな。
・寧ろ、アジェンダワークのモヤモヤがあったからこそダイアログセッションでのハリケーンは起きたのかも。

【今の疑問】
・ここ、どこ?
・これからどこに行こう?

ゆっくり考えよ。焦らず、焦らず。


あとがき

TKDからいただいた「この場に参加する」という選択肢。

起業家の方々からいただいたハリケーンに巻き込まれる感覚と、新しい世界。

佐俣アンリさんからいただいた奨学金という名の後押しする力。

医療チームからもらったチームワーク。

伴奏メンターとアジェンダオーナーからもらった人を想うとは何かを考える機会。

6期からもらったそれぞれが持つ世界。

先輩方からもらった次に向かう道しるべ。

ああ、全部尊い。抱きしめたい。

皆、ありがとう。だけど、もう気にしないよ。

キャンプ後、荒れ狂うと思っていた私の心は、今までにないぐらい穏やかで、温かくて、愛で溢れているのでした。

皆と会えて良かった。

大好き。

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