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SEPT×STU48 配信限定公演舞台「Selfish amity’s」2期生Ver. 感想 [2020年制作記事]

この記事は、2020年11月12日(木)にアメブロに投稿した記事を転載したものです。

今回は舞台の感想をひとつ、したためたいと思う。

2020年11月11日水曜、推しグループであるSTU48と、東京を拠点とした「音楽と演劇をMIXした次世代型エンターテイメントユニット」ことSEPTがコラボした配信限定公演舞台が、DMM.comにて配信

その名も「Selfish amity's」(セルフィッシュ・アミティーズ)。通称「セルアミ」。

10日の初日公演を取り上げたニュースサイトによれば、「わがままな友情」と訳すらしい。

これが非常に良い公演舞台だった。


SEPT自体は以前からSTUのメンバーが舞台に出ているのは知ってたけど、いかんせん僕自身が舞台に興味があまりない人間だったので、正直当日までまったく予備知識がなかった。


そのほか、感想を書くにあたっての前提条件は以下の通り。

・STUに通い始めたのは2018年3月から。現在の推しメンは原田清花さん(2期)
・10日の1期D3生の公演は見ていない


というわけでつらつらと感想を書いていこうと思う。

勿論のことではあるけど、ネタバレを多大に含むと思われるのでご承知おき願いたい。



現実とリンクする「船」

舞台が始まって早速、推しメンこと原田清花さんが1人現れる。

そして会話で回顧する形で物語は始まっていくのだけれど、それが終わってまず最初はSTUの楽曲「暗闇」のライブパフォーマンスから。完全に「舞台」だと思っていたので、驚いてしまった。


しかし、実はこれが劇中における「船」での最後のライブパフォーマンスだった。

そしてそれが終わった18時48分05秒から、約3時間前の16時に時間が戻り、そこからずっと最後のパフォーマンスと脱出方法の模索と時間の戻りを繰り返していくことになる。


STUだから、尾道が舞台の「時をかける少女」よろしくタイムリープものか??と思ったけど、正直タイムリープに関するところは物語の主軸ではない。

・・・いや、主軸なんだけど、重要なのはそこではない。


劇中の登場人物たちも、船を拠点にした公演を終了する。

これは視聴者、主にSTUのファンにとっては、「船」を舞台としているという現実とのリンクで、否応なしに我が事のように思えてしまう。

もちろん僕も他人事のようには思えなかった。


役回りと関係性

今回の2期生版での登場人物は、

池田裕楽(サラ)・尾崎世里花(フォウ)・川又あん奈(ニーナ)・川又優菜(チヨ)・工藤理子(フユ)・田中美帆(ノナ)・田村菜月(リウ)・原田清花(アン)・南有梨菜(ティオ)・立仙百佳(スイ)

の10人となっている。(以上敬称略)

登場人物はそれぞれ名前を思い出せなくなっており、代わりに各自に様々な国の呼び方で数字の名前をつける。

例えば原田さんはアン(une/仏)、尾崎さんはフォウ(four/英)、工藤さんはフユ(fünf/独)・・・などといった具合。
他の数字は知らん()


名前に数字をつけるパターンはガンダムを始め色々な物語でもよくあるので特につっこみどころもないけども、下手に役名をつけたり本名で演じるより、メンバーのキャラに囚われることなく、よりニュートラルに舞台を見ることができるのかなと。


そして今回、原田さんは最重要と言っても過言ではない大役を担っていた。

個人的には役柄が原田さんと似てるところ結構あるなと思ったし、他のメンバーについても同様だった。

なんというか、ネガティブな感じがモバメから送られてくる原田さん自身にそっくりだなと思った笑


それと関係性で言うと、アン役の原田さんとフユ役の工藤さんについては、普段の仲の良さがそのまま演技での関係性にも近いものがあると感じた。

また先ほど1期D3生の配役も見たのだけど、チヨとスイの仲良しコンビがひなぴよ(岩田・門脇)の同じく仲良しコンビだったので、ああなるほどと。


こういったメンバー個人や、加えてメンバー同士の関係性まで調べあげたうえで、意図しての配役だとしたらさすが。


光る2期生たち、そして原田清花という推しメン


僕は正直なことを言うと、今回のSEPT×STU48コラボ公演舞台、特段の期待してはいなかった。
事前に何か調べようという気も起きなかった。

推しメンこと原田清花さんが最近この舞台の稽古で忙しくしてたし、気落ちすることも多々あって、おいおいこのままいって大丈夫かよ…と思うこともあった。

ただ、これだけ推しメンが頑張ってるんだし、とりあえず見てみようと思った。


結果的に、心配は無駄だった。本当に杞憂だった。


僕が思う以上に、推しメンを含めた2期生はすごかった。

「STU48の2期生はファンが顔で選んだ」なんて言われるけど(というか僕も言ってるけど)、そんなことは決してないし、彼女らは選ばれるべくして選ばれたのだ。


もともとのダンスや歌のスキルを含めたポテンシャルの高い子たちが揃っているというのもある。
しかしながら、ぶっちゃけ推しメンこと原田清花さんはそこまでスキルが全体的に高いわけじゃない。
(イラストは群を抜いてうまいけど)

だからこそ、推してる側からすれば彼女は本当によく頑張ったんだと思ったし、成長を感じずにはいられなかった。嬉しさが込み上げた。


それと舞台の中で楽曲パフォーマンスを何度かしたけれど、全て生歌だったのは本当に気持ちがよかった。

生歌至上主義ってわけじゃないけど、どうせ聞くのであればもちろん生歌のほうがいいに決まっている。


推しメンは、大役を担った重責に負けず、豊かな表情と張りのある声で演技をしていた。

センターという重圧に負けず、堂々と真ん中でパフォーマンスをしていた。

それはファンにとってどれほど嬉しいことだろうか。


船上劇場の終焉という事象も相まってか、僕はこの舞台に居る推しメンの姿を、涙なしには見られなかった。

原田清花推しとして、この舞台をリアルタイムで見られたことを僥倖に思うし、素敵な推しメンを見つけて推せているという喜びを噛みしめていた。


ライブや色々なイベントが消え去ってしまってたくさんの活躍の場を失ってしまった2020年。

特に2期生はなかなか表舞台に立てるチャンスも無く、腐ることもあったかもしれない。

それでも彼女たちは、今こうやって立つ舞台に真摯に向き合っている。それがひしひしと伝わってきた。


もちろん不慣れな部分だったり、至らない部分もあったかもしれない。

しかし今回の公演舞台は、間違いなく成功だった。それは断言できる。


船は去っても…

僕はSTU48号が2021年春で役割を終えると聞いた時、とても悔しかった。

2019年5月に出航したばかりなのに、あまりに短命すぎる。それにこの船はSTU48にとってのアイデンティティではなかったのか。

その先は、他の48Gと変わらない普通のアイドルグループになってしまうのではないか。


とにかく僕は、船が無くなってしまうことに虚無感を持ってしまっていた。


今回の舞台は、役割を終える船と共に自分も去ろうと思っていたアン(原田さん)が、船を後にしても皆で前に進んで行こうとすることが重要なポイントの一つ。

これは、メンバー・ファンどちらにとっても、大事なメッセージだと感じた。


僕は舞台を見ている間、何度も涙した。

それは推しメンの活躍っぷりに対してもだし、船という場所から次のステップに進んで行こうとする彼女たちの姿、あるいは船そのものへの愛着もあるかもしれない。


彼女たちのアイドル人生は、船が無くなっても終わるわけじゃない。

虚実入り乱れるこの舞台で、僕たちが受けるべきメッセージはたぶんすごく多いわけじゃないし、たぶんありふれてるものだと思う。

だけど、すごく大事で、大切なこと。


これから船を去っても、僕たちはまた歩いていく。

彼女たちと彼女たち、そして僕も、新しいスタートを切れますように。

(了)


追伸

あくまで舞台での演技だというのは分かっているのだけど。

セリフとはいえ、推しメンに何度も「卒業します…」とガチトーンで言われると結構心臓に悪いです…(白目)


いつか来る卒業の日は、この比じゃないんだろうな…


【参考記事】

OK Musicニュース(2020.11.10配信)


【当日公演終了後の感想ツイート】

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