京都の市バス。

京都がオーバーツーリズム気味になり、観光客の人がたくさん利用する区間を走るバスをその沿線の住民として普段から使いたい人がなかなかバスにすんなりと乗れないという問題が、コロナ禍が過ぎたと言われた時以降、結構聞こえてきたりします。特に京都の市バスの206番系統がその問題が顕著のようです。

206番は京都駅から北上して七条通りを東に進み、京都市博物館や三十三間堂を経て東大路を北上し、清水寺の近く、祇園、八坂神社のあたりを通り、平安神宮や美術館や動物園のある岡崎に近い場所も通り、京大のある百万遍をこえ、高野の交差点(東大路と北大路の交差点)まで北上、そこから北大路を西に進み、北大路バスターミナルまで行って、千本まで西に進んで、南に下がっていく・・・というバスで、観光名所の近くをたくさん通るバスなのです。

私は長く京都に住んでいましたが、その時は京都の市バスを本当によく利用していました。一番長い期間、住んでいたところは電車の駅から微妙に離れた場所だったということもあって(自宅から一番近かった鉄道の駅は京阪の出町柳駅で、徒歩15分弱でしたが、最寄りのバス停までは徒歩1分かからないぐらいでした)。

最寄りのバス停は京都の市バスでおそらく一番本数が多い、205番のバス(南に向かう205番は北大路バスターミナルから出て、河原町通を経て、京都駅まで行くバス。京都駅を出て河原町通を北上する205番は市内の中心部の四条河原町を経て下鴨方面を経て北大路バスターミナルを向かいます。なお、西大路を北上する205番もあります)が通るバス停でした。そして205番だけではなくて4番という、河原町を経て京都駅までいくバスもとまります。長く住んでいた物件に住むことを決めたのはそんなバスの便利さもかなりの決め手でした。

最寄りバス停のすぐ一つ向こうのバス停が下鴨神社前なので、たくさんの観光客の方も利用される路線なのですが、とにかく本数が多いので、例えば四条河原町から自宅に帰る場合、「1台目のバスが混んでいて乗れなくても、次のバスがすぐ来るし、それに乗って帰ればいいよね」ということができたのです。

以前は京都市バスの一日乗車券が500円で売られていて、3回乗ったらいわゆる「元が取れた」のですが(現在の京都市バスの均一料金区間内の料金は230円)、値上げが徐々にされた後、一日バス乗車券が廃止されて、今は地下鉄・バス1日券(1100円)になり。それって、完全に「改悪」だと私は思うのです。定期券を持っていないけれど、特定の日にだけバスが使いたいという京都市民とか、目的地が地下鉄の駅から離れていて、かつバス一本で行けず、バスを乗り継いで行かないと行けない人にとってはなかなか辛いと思います。

それに「あのバスは観光客の人で間違いなく混むから、直接は目的地に行けないけど、そのほかの系統のバスに乗って、目的地に行くバスに乗り継げるバス停で降りてのりかえたらいいよね」という技?を気軽に使えなくなったという・・・。私はそんな技を日々使っていたので、いまだに京都の市バスの系統はほとんど頭に入っています。

どこを通ってどこの交差点を曲がってどちらに行くかとか、オレンジ色の表示のバス(200番台のバス)、青色に白地の表示、白地に黒の表示のバスが、なんの意味があるのかも、ヘビー京都市バスユーザーはわかっていると思います。オーバーツーリズム対策としても一日バス乗車券は廃止しないほうが良かったと思うのですけれど・・・

ちなみにバスの系統の表紙幕がオレンジ色のバスは、京都市内を循環して運行しています。そして同じ番号で時計回りと反時計回りに運行する系統があります(200番台がそうですね)。青色の表示のバスは均一区間内の同じ区間を往復運行しています。3番とか、最近17から系統の番号が変わった7番とかがそうですね。あと白地に黒い文字のバスは均一料金区間を超えた範囲の場所まで運行しているバスです。市内の中心部から洛西バスターミナルの方に行くバスとか・・・。

例えば私の場合、学生の頃に妙心寺の近くにあるバイト先でもバイトしていましたが、そこに行くのに、自宅最寄りのバス停からまず河原町今出川まで205か4で南下して(河原町今出川までは歩いても10分ぐらいなのですが)、河原町今出川で北野白梅町を通る系統のバスに乗り継いで(203など)、白梅町で10番のバスに乗り換えて妙心寺の方まで行っていました。

そんな感じで片道で2回バスを乗り換えないとバイト先に行けず、それを往復するので1日で合計6回乗るので、1日バス乗車券は必須だったのです(交通費はもちろんバイト先が出してくれますが、一日乗車券の分の金額をいただいていました)。普通に乗れば1320円かかるところが(私が住んでいた当時は市バスの均一料金が長く220円でした)500円ですんでいました。

地下鉄ユーザーの人はバスの乗り放題が付いていても乗らないし、バスユーザーは地下鉄沿線に住んでいないからバスに乗るんですよね。でも例えば観光客の方が京都駅から金閣寺や龍安寺に行く場合とかは地下鉄・バス一日券はいいかもしれません。京都駅から地下鉄で北大路まで行き、北大路バスターミナルから金閣寺方面へ向かって西に行くバスはたくさんあるので。

でも例えば清水寺に行こうとして、地下鉄で四条まで行って、そこからバス、はあまりお勧めしないかもしれません。普通に四条通をトコトコ東に歩いて、八坂さんを経て歩いていく方が早く着く時だって、ひょっとしたらあるかもしれません・・・。

などと、書いてきましたが、京都市内を快適に移動する最強の武器は・・・

自転車です!

ただし、西大路は南の方からずーっと坂なので、北へ向かって漕ぐのがつらいです。西大路御池を過ぎて、円町の手前からは本当に坂がきつくなります。あと、四条河原町付近の駐輪場はなかなかないうえ、人も多いので、河原町に出るときはやっぱりバスがいいと思います(とめてはいけないところに自転車をとめるのももちろんダメですし、とめてしまって撤去されたらものすご〜く不便な場所まで取りにいかないといけないのです。お金も払わないといけないですしね)。


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