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ゲームマーケット初出展で自作のボードゲーム380個を売った話 - 印刷・仕入れ・箱詰め編

印刷データを作るだけでは終わらないボードゲーム制作

前回までで、ルール・コンポーネント・パッケージ・説明書が完成し、印刷データは全て入稿を終えました。しかし、これだけで終わらないのがボードゲーム制作です。印刷物以外のコンポーネントの仕入れと、それらすべてをパッケージ内に箱詰めする作業が残っています。

コンポーネントの仕入れ

今回、カチカンモンスターズには、水性ペンと付箋が、キリンフォトには草むら用の駒と紐が必要でした。

コンポーネントの仕入れと言っても、特別なことは何もなく、ただ「大量に買う」だけです。原価が安く抑えられるので、100円ショップを使う人が多いようです。ほか、海外の通販サイトから大量輸入したり、ボードゲーム用の部材を売っているところから購入する人もいるようです。

水性ペンは、色々見ましたが、ダイソーの30色入りで100円のものが圧倒的に安かったので、これを75個書いました。まとめて在庫を置いている店舗が少なかったのですが、時間があまりなかったので、都内のダイソーを毎晩回って買い集めました。

付箋は、ノベルティを作成できる業者を色々探しましたが、カスタム形状で作成できる中では、100枚綴りの単価100円で作成できるPR39というところが最安でした。付箋だけで1セットあたり400枚で原価400円となかなかの値段になってしまいましたが、リプレイ性を考えるとできるだけ枚数を多く入れたかったので、やむなしとしました。付箋は15,000個発注したのでものすごい量が届きました。

コマは、ボードゲーム用の部材を販売している、ドイツのシュピールマテリアルで探したところ、幸運にもぴったりのものがあったので、それを輸入しました。600個が送料込みで10,000円ほどだったのでかなり良心的でした。

紐は出来ればしっかりしたものにしたかったのですが、どこを探しても値段が高く、仕方なくダイソーの編み物用の紐を必要な長さにカットすることにしました。

印刷物の完成…の前に発覚したミス

コンポーネントの印刷データを入稿してからしばらくした後、BGMさんからTwitterで次のようなDMが届きました。

つまり、カードに、本来あるべきでない黒い縁取り線を誤って入れたまま印刷が上がってしまったのです。これは完全にこちらの入稿データのミスで、あれだけ注意を払ったのに、こんな初歩的なミスを犯すなんて…と頭が真っ白になりかけました。が、その後、BGMさんの優しさにより、交渉の結果、元々想定していたカードサイズ50mmよりも2mm小さい48mmでカードを抜いてもらい、黒線を目立たなくしてもらえることになりました。実物が届いたら、本当にミスがなかったかのように綺麗に抜かれていました。本当にありがとうございました。

印刷物の完成

ミスもなんとか致命的にならず回避できて、いよいよ印刷物が完成しました。途中、何度かBGMさんから進捗報告の画像が送られてきて、胸がときめきました。

そしていよいよ、BGMさんから、「印刷がすべて完了したのでこれから発送します!」というメッセージと共に次の画像が送られてきました。

(ん…?なんか想像の三倍ぐらいのボリュームがあるぞ…!?)と思ったものの、見なかったことにしました。

が、完全にそのままのボリュームで家に届き、部屋が一個完全にダンボールで埋まりました。

印刷は本当に綺麗で、カードのエンボス加工も素晴らしく滑りが良く、立体駒も非常に精巧に作られていて、本当に感動しました。

説明書は別途印刷していたので、小箱で届きました。

これですべての部材が揃いました。

箱詰め

ひとしきり感動を味わったあと、箱詰めです。本当に大変なので、出来れば誰かに手伝ってもらうか、外注することをオススメします。カチカンモンスターズ300個、キリンフォト200個すべて一人で手作業で箱詰めしましたが、本当に死ぬかと思いました。

カチカンモンスターズは、次のような工程がありました。蓋を開ける→タイル36枚を抜いて詰める→カード3種類を詰める→付箋4個を詰める→ペンを丁合して7本詰める→説明書を詰める→蓋をする。何箱かまとまった単位でこの工程を順にやっていきました。

箱詰め中の様子です。

トータル10,800枚に及ぶタイルを抜くのが何気に大変で、この時期はタイル抜きのスキルがかなり上がりました。上の写真はすべてのタイルの抜け殻でできたタワーです。

ペンの丁合がかなり大変で、上のように番号を振っておいて、同じ番号のものを抜き出しておき、

上のように重ねることで、視覚的な差分から、必要なペンだけを素早く取り出すという、後世全く役に立たなそうな技法が編み出されました。

キリンフォトは、次のような工程がありました。蓋を開ける→必要な枚数のキリンを詰める→必要な枚数の得点チップを詰める→駒三個を詰める→紐を必要な長さにカットして詰める→説明書を入れる→蓋を閉める。

キリンと得点チップは厚みがあったので、枚数を数えるのではなく、重ねた時の高さで必要な数を測ることで、スピードアップしました。紐は必要な長さの半分の幅のダンボールに巻いておいて端を切ることで、いちいち長さを計らなくても必要な長さをきりだせるようにしました。

完成

箱詰めが終わって、長かった制作もようやく終了です。

完成品をすべてダンボールに詰め直して、ゲームマーケット事務局から事前に指定された倉庫に全て送りました。


まだちょっとだけ続くんじゃ


次回、プロモーション編

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