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「犬」の「ヽ」は〇〇を表している!?



こんにちは!

漢字の面白さを伝え続ける男kuです!

今回は「犬」です。

犬ってシンプルな漢字ながら
何を表しているか
1発で分かりにくいですよね。

犬の顔?
何かの動作の部分?
それとも旧字体を簡略化した漢字??

いろんな推測ができますが
成り立ちを見れば1発で理解できます!

それでは
「犬」の成り立ちを見ていきましょう♪

「犬」の成り立ち



「犬」の甲骨文字


上記の画像は
犬の甲骨文字です。

そう。

犬を横から見た様子を
漢字にしているので
「犬」は象形文字なんです。

では肝心の、
犬の右上にある「`」は
何を表すと思いますか?


この画像だと「`」は
顔のあたりにあたるので
顔?だと思ったら…


「耳」ですね。

犬の耳が「`」になっています。

耳の「`」が2つでないのは
犬を横から見た様子を
元にしているからです。

これでスッキリ!!


他のイヌ→「戌」「狗」は?


ですが、他にもイヌを表す漢字って
ありますよね?

干支のイヌを表す“戌”。
天狗の漢字にも使われる“狗”。

それぞれ成り立ちを見てみると

①「戌」の成り立ち


「戌」の甲骨文字

「戌」も象形文字なのですが
これはどう見てもイヌじゃない…。

それもそのはず、
斧や鉞(まさかり)の形から来ている
漢字なんです。

どちらかといえば
収穫・兵器のニュアンスが強い漢字で
そもそもイヌとも読みません。

これが「戌(いぬ)年」と
なったのは

十二支を覚えやすくするため
動物を当てた時、たまたま
11番目にあった戌にイヌという
音が当てられたという説があります。

なので戌と犬は
そもそも成り立ちが
全然違うところがわかります。

②「狗」の成り立ち



「狗」は
けものへんにあたる「犬」と
「句」の組み合わせで
生まれた漢字です。

句というのは
「湾曲したカギの引っかかった」様子を
表しており

曲がって小さくなったもの
→小さな犬
→子犬を表す漢字となっています。


この「狗」という漢字は
古代中国で既に使われており
人間社会で活躍していたこともあり

狗の性格が
その漢字のニュアンスに
反映されました。

例えば

 臣常有狗馬之心、今病、力不能任郡事
(臣常に狗馬の心有るも、今病して、力郡事を任ずる能わず)。

『漢書』巻五〇汲踏列伝より

という言葉から
ウマと同じ忠誠心がある意味合いでも
使われますし

 人如此者、狗猪不食其鯨(人此くの如き者は、狗猪す) 

『漢書』巻九八元后列伝より

という言葉から
ブタと同じように卑しいものと
して扱われてもいます。

忠誠心と卑しさを表す慣用句的な
意味合いとして使われ
「狗馬」「狗猪」「狗盗」「走狗」
などの熟語が生まれたのは

小型犬としてより親しまれた
「狗」だからこそなんですね!


まとめ


・犬の右上の点は「犬の耳」

・点が1つなのは、
犬の成り立ちで使われたのが
「犬を横から見た様子」だったから。

・「戌」は直接「犬」とは関係ない。

・「狗」は小型犬のことで
その性格を慣用句・熟語として
使われることが多かった。

ということです!


簡単な漢字ほど
成り立ちを探ると
深いものが見えてきます。

普段見る漢字も
「この成り立ちってなんだろ??」
と疑問に持てると
より面白くなりますよ♪


では、また👋

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