街クジラだ、と見あげる少年の笑顔。ゆったりとヒレを動かし雲間を泳ぐ大きな影は、透き通った切れ長の瞳を少年に向けた。太陽を遮る大きな影の周囲を街トビウオの群れが背を銀色に光らせ追い抜いていく。大群が波立てた白い雲をかき分け、街クジラが虹を噴き上げると、街から潮のように歓声が上がる。

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