ぼくのかぞくのはなし

誰かに言いたけど、人に話しにくいことってありませんか?
僕は仲のいい人にほど話しにくいことが増えてしまうタイプで、それがSNS上の関係でもそれなりに付き合いがあると話しにくくなってしまいます。
今回TLでたまたま同じような境遇の人をみて思うことがあったので何となくキーボードを叩き始めることにしました。

いきなりですが、僕の父親は末期ガンです。そうです、ステージ4です。ピンチです。

この衝撃の事実を知ったのは高3の夏でした。
晩御飯の途中にいきなり
「末期のガンです」
と言われました。
わかりますか?バリバリ受験生です。バリッバリの受験期にこのカミングアウト、茫然とせざるを得ませんでした。家族もこれからの生活に不安を覚え、微妙な空気がしばらく続きました。

ほどなくして、父親の病状は悪化しました。そのために入院を余儀なくされました。当時の僕は進路を大学進学に変更したばかりでただでさえ進路に不安を覚えていましたが、そんなレベルの話ではなくなってしまいました。

父親のいなくなったリビングではこれからどうしよう、という話を母親と、妹としますが、同じような話を繰り返しては遠くない未来に必ず起こるであろうことを憂慮する毎日でした。もちろん受験期の友人に相談なんてできませんでした。

過去の中学受験で鬼のようなスパルタママと成り果て、日々暴力を振るっていた母親は、その反動なのか僕の進路に口を出すことはしなくなっていたので僕は進路のことを誰に相談すればいいのか分かりませんでした。

僕の受験の話はまた機会があれば自己満足100%で書きたいのですが、結局僕は決して豊かではない家計を知りつつ、入院中の父親に早稲田に行きたいと打診し、承諾を得ました。

父親は年末に退院しました。実に3か月の間父親が不在の日々が続きました。早稲田への進学は許可されたものの、僕は家の家計に余裕があまり無いことも、父親にもしものことがあった時のこともわかった上で受験をしました。
結果的に合格し僕はなんとか現役で進学できました。

僕が高校生活を終えても、もちろん父親の闘病の生活は終わりません。父親は家計を支えるために働き続けています。病状が悪化しても会社へ行き、さらに悪化すると数日入院したり。薬が効かなくなると別の薬へ切り替え、それがさらに重い副作用を起こしたり、そんな日々が続きました。

大学一年生、毎日が未知との邂逅でした。楽しいこともたくさんありました。それでも常に不安と顔を合わせる日々でした。今日が父親と過ごす最後の日になってもおかしくないのです。余命宣告はとっくに過ぎていました。

こんな日々に疲れてしまい、いろいろな人に迷惑をかけてしまいました。
今思うとずいぶん勝手なことをしてしまいました。いわゆる五月病の強化バージョンみたいな感じになってました。すいませんでした!

一人暮らしもしたかったです、でもそれ以上に僕は留学がしたかったのです。これは高校生のときからの希望でした。
僕の学部では強制的にTOEICを受けさせられるのですが、その点数で交換留学へ行ける仕組みがありました。もちろんかかるお金は現地での生活費のみです。幸いなことに僕はどの学校にも応募できるくらいの得点でした。

それでもやはり父親の問題がありました。留学に行きたい、こんな話は父親にはできなかったので母親に相談しました。母親は
「留学に行ってる間にもしものことがあるかもしれないことくらいわかるでしょう、時期が時期だから難しい」と、期待通りの言葉を返してくれました。

分かります。分かっていました。それでも今行かなくていつ行けばいいんだと思いました。しかし、その可能性を吐き捨てて一人で海外へ飛ぶようなことは一年前の僕には不可能でした。

これを書いている現在も父親はまだ元気です(最近病状が悪化してはいますが)。それでも、いつ何が起こるかはわかりません。結局去年留学していれば良かった、と今となっては思いますが、じゃあ次の一年は? 今度こそダメかもしれない。そんなことを考えては出口の見えない思考を巡らせてしまいます。

この間、母親に一年前と同じことを聞いてみました。母親は同じ答えを返してくれました。それでは妹は?と聞くと
「妹が大学に行く頃にはもう起こるべきことが起こっていると思う。だから彼女は留学に行くと思うよ」
と答えてくれました。
なんかもうよくわからない感情に包まれてしまいました。

ちなみに妹は既に国立大学への進学が決まっています、俺と違って優秀ゥ!

そんな感じです。ぼくのかぞくって。別に同情して欲しいわけでも、可哀そうだねって言ってほしいわけでもないんです。毎日楽しいことも悲しいこともあって、大好きな人もいます。それでもしばしば、ふと名状しがたい不安に襲われることがあります。そんな不安をここに出し切って断ち切ってしまいたいと思っただけです。自己満100%です。だから、奇跡的にこれを読んでいる人がいても、知らない誰かのよくわからないブログだと思って下さい。

以上拙文失礼いたしました。 

おちんちんびろろろろ〜ん。

よもぎぃ@





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?