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さおりさんとの日々

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僕とさおりさんの、10歳の歳の差の、何でもない日常のお話。
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土曜日の朝

さおりさんの休日の朝は、僕の30分ぐらい前からはじまる。すっと布団からでて、軽い足取りで遠ざかっていく。向こうのほうで水のでる音がする。そのうち僕はまた夢の中に帰っていく。

もう一度僕が目を覚ますとき、香ばしい匂いが部屋を包んでいる。彼女は決して「ご飯できたよーー!」なんてかわいい起こし方はしない。ボリボリと食パンを頬張りながら、「あら。起きたのね」と声をかけてくる。

僕は、寝起き早々からご飯

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さおりさんと僕

僕とさおりさんとの生活は、例えばふかふかの絨毯の上で片足立ちをしたり、赤提灯のラストオーダーみたいだったりする。ふわふわで、とろんとしていて、いつ倒れてもおかしくない、不思議な時間だ。

10個の歳の差は、恋をしていると感じないけれど、生活をしていると感じてしまう。落ち着きも諦めも、日々の柔かな喜びも、さおりさんはとても上手くこなしていた。

僕が彼女に惚れている理由は、あげればきりがない

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