好きなものさがし

好きを追いかける人ってすごくキラキラしている。
だいすきなものって心を支えてくれるし、何より楽しい。

とはいえ好きを見つけるのは難しい。
見つけても否定される好きは沢山ある。
らしくない。意味がない。恥ずかしい。
色んな言葉で「君はおかしい」って言われる好きを、守るのはもっとずっと難しい。苦しい。

他人の声は選ぶことができる。
流れる時間の中を歩いていけば、言葉を受け取らない力をつけることができる。

でも

好きを見つけるのは難しい。

誰かの好きをなぞることが大切すぎることもある。

誰かからの好き（好意）のために自分が我慢しているつもりはない。
誰かからの好きがすべてで、誰かの持つ好きを探して重なることに囚われる。
好きとか嫌いとか初めから考えない時間を過ごすと、なかなか自分の好きは見つけられない。

好きになってみたいという憧れを抱くことすら怖いと感じるかもしれない。

好きを追いかける他人を羨ましがる感情ばかりが膨らんで、誰かを模倣してみる。なぞって重なって、何となく安心して、安心感で心が満たされた気になって、誰かが自分から離れるとまた不安で怖くて誰かを探して。

もしもそこに他人の声が降りかかったなら、きっと自分自身のための好きを探すことはとても怖いものになるのだろう。
好きは誰かのためにあると、心のどこかで感じてしまうかもしれないから。

人を喜ばせる好きは心地いい。
認めてくれる存在だけで好きを抱く理由になる。
たとえ他人に非難されようと、好きでいることを許されたように思う。

好きを否定する権利は誰にもない。
好きに許可はいらない。
好きは人のために探さなくていい。
好きは自分のために守るもの。

「だから、好きと感じる自分に素直になってね。」

うん。
自分の好きを見つけたら、そうしてみる。

見つけることができたら。

見つけるまで一緒に探してもらうのはきっと卑怯じゃない。
誰かのためになりそうになるけど。
好きさがしが苦手ということを受け取ってくれる相手となら、時間がかかってもいつか好きは見つかる。
見つけたいと思っていれば絶対見つけられる。
相手で好きを選ばず、好きを好きでいさせてくれる人の言葉と歩けるようになる最初の一歩は、多分ちょっとした笑顔。