少年漫画誌の物理雑誌とWeb版における主人公の分類と比較

 前回、週刊少年チャンピオンの歴代連載作品について主人公の性別の分類を行いましたが、他の雑誌はどうなんだろう?という事で軽く調べてみました。

 対象雑誌は4大少年誌(週刊少年チャンピオン週刊少年ジャンプ週刊少年マガジン週刊少年サンデー)と各雑誌のWeb版(Champion タップ!ジャンプ+、裏サンデー)、またWeb雑誌のコミックメテオコミックアーススターです。対象作品は上記雑誌の掲載作品のうち2015年6月末日に掲載中の雑誌とし、Web作品に関しては6月中の更新があった新作漫画を対象としました。
 主人公の分類に関しては前回と同様の基準で分類しました。

【結果】

 全体的に4大少年誌では物理雑誌に比べてWeb雑誌の方が女性主人公が多い傾向があるように思います。特にChampionタップでは約半数が女性主人公であり、物理雑誌で認められた傾向を強くしてる印象です。
 また、Web媒体のみで展開してる2誌はどちらも過半数が女性主人公という結果が得られました。

【考察】
 Web媒体の雑誌だと女性主人公が多くなるのは物理雑誌に比べて対象年齢が上がってるせいかな〜?と取り敢えずは考えています。年齢が上がると「男性主人公とヒロイン」という構図がなくとも、女性主人公単体を男性読者が愛でる対象として見られるようになるorそもそも愛でる対象を欲して漫画を読むからかな、と(これは印象になりますが、女性主人公の作品はいわゆる「日常系」や「コメディ」が多く、バトル漫画や競技漫画は少なかったように思います)
 ただ、対象年齢だけを理由にするとヤング系の雑誌(ヤングチャンピオン/ヤングジャンプ/ヤングマガジンなど)でも女性主人公の比率が上がってないといけませんが…そこは同系列の少年誌の場合とあまり差がない気がします。(スミマセンがこれも印象です。調べ始めるとキリがないので)
 とすると、他の可能性としては
①少年誌から派生した雑誌だが女性読者も視野に入れているから
②対象としている層がオタク寄りだから
 の2点が考えられるかと思っています。
 ①に関しては、女性読者も視野に入れているというより、Webという媒体を活かしてPCやスマホを持っている全ての人を対象としているとした方が良いかもしれません。(7月6日追記:どの少年漫画誌もWeb版を創刊するに当たって「週刊少年」という看板を外している点も、そういった対象層を念頭においてのことかもしれません)
 ②に関しては、明確な定義はないですがWeb上でも漫画を読む層として、よりコアなマニアが対象としてイメージされてるかも…という話です。先述の読者は女性主人公を愛でたいのかも、という話と通じる部分もあるかもしれません。

 前回、今回と主人公の性別を基本に漫画作品を分類して来ましたが、これ以上は「読者は女性主人公に何を求めてるか?」って所を考えないといけない気がします。もちろん、個々の作品で目指す所は違うでしょうが、この辺りはジャンルとして「ギャグ/コメディ」「ラブコメ」「バトル」「スポーツ」ぐらいの分け方をして主人公の性別と照らし合わせると各雑誌で見えて来るものがあるんじゃないかなー?と思ってます。
 それに関してはまた元気とやる気が出て来たらやりたいと思います。

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