「スラップファイト3671」開発日誌 Beep21出張版 #0
メガドライブの傑作シューティング「スラップファイトMD」の続編登場!! サウンドは「あの人」も含めて最大8人参加予定!?
それは、2019年10月にマインドウェア代表・市川幹人氏のTwitterで、突然しれっと発表された。
この「スラップファイト3671」なる新作、これ以降は具体的な進展がしばらくなかったのだが、市川氏から編集部あてに「いよいよ具体的な発表が近づいてきた」との連絡があった。何やらクラウドファンディングを行うとか、有名なサウンドクリエイターが4名以上参加するとかしないとか!? そんな新作の話はもちろん、せっかくなので「スラップファイトMD」の開発経緯や、あの当時のセガプラットフォームでの開発経験なども合わせて、市川氏ご本人に直接聞いてみることにした。
メガドライブ版「スラップファイトMD」、本命は「究タイ」だった!?
――「スラップファイト」の新作をマインドウェア社で作るとのことですが、まずはメガドライブ版「スラップファイトMD」について聞かせてください。
市川 当時、「究極タイガー」がとにかく大好きで、これをぜひメガドライブに移植したい!と思い、荻窪にあった東亜プランまで行ったんです。確か1989年ごろだったと思います。でも、いざお話をしたら「メガドライブへの移植は決まってしまった」とのことで……。ガッカリしていたところ、「代わりにコレとかどう?」と提案いただいたのが、「スラップファイト」だったんです。
――メガドライブ版には、オリジナルのスペシャルモードがついていましたね。
市川 当時ならスペシャルモード単品で販売してもいいくらいの出来だったと思います。これは「どうせなら新しいゲームモードも付けたいです!」と東亜プランさんに相談して実現したものでした。ただ単に移植版を出しました、というものでは何か物足らない気がして……。アーケードの移植作品は当時いっぱいあったので、少しでも差別化したかったんです。まだ高校を出てすぐの18歳だったので、若さゆえの「俺がもっと面白くしてやるんだ!」みたいな勢いがあったのかなぁ、と。その結果、当初8カ月で開発する予定が、延びに延びて4年もかかってしまいました。
――4年も…。ちなみにメガドライブ版のサウンドは古代祐三さんですが、これはどういった経緯で?
市川 古代さんとはオファーというよりは普段の会話の中で「今度、東亜プランの「スラップファイト」をメガドライブに移植しているんですよ」なんていう話をしていたら「おお!いいねぇ!俺が曲を書いてやるよ」みたいな感じで決まりました。結果、それで最高のサウンドをいただけてよかったです。
――セガのプラットフォーム(メガドライブ)で関わったタイトルは他に何が?
市川 リリースされたものでいえばメガドライブでは2本。「A列車で行こう MD」と「ベアナックルⅡ」ですね。「A列車~」はほぼひとりで作りました。発売されなかったタイトルだと、じつは「スラップファイトMD」と平行して東亜プランさんの「ダッシュ野郎」のメガドライブ版も開発していました。移植度もかなりよかったんですが、お蔵入りになってしまいましたね。発表だけはされていて、当時雑誌にもタイトルは載っていたはずです。また同時期に「飛翔鮫」のメガドライブ移植もオファーがあったんですが、これは手が回らなくて断ってしまいました。今思えばやりたかった……。「ダッシュ野郎」より先に「飛翔鮫」が来ていれば、絶対にやってましたね(笑)。
新作「スラップファイト3671」について
――今回の新作「スラップファイト3671」ですが、これはどういう新作なのですか?
ここから先は
21世紀に奇跡の復活を遂げた『Beep21』の2021年〜2022年の記事すべてを一気に読める超お得なパックがこちらです!『Beep21』…
好評発売中の『Beep21』の創刊1号と2号を一気に全部読める、ちょっとお得なワンツーパックです。今から一気に創刊1号と2号の全部の記事を…
好評発売中の『Beep21』の創刊1号・2号・3号の記事を全部収録した全部入りトリプルパックです。今から一気に創刊号から3号まで全部の記事…
『Beep21』創刊号(パイロット版)
伝説のゲーム誌『Beep』が2021年に21世紀仕様になって帰ってきた! その名も『Beep21』 歴代のスタッフが集結し、あの時の話を …
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?