マガジンのカバー画像

[私小説] 霜柱を踏みながら

24
私小説です。時系列でなく、思い出した順番で書いてます。私の個人的な思い出の物語です。
このマガジンは私の私小説風のエッセイで、月に3本くらい2000文字前後の作品を投稿していく予定です…
¥100
運営しているクリエイター

#超短編小説

そして、それでも生活は続く[最終話]

一歩進むごとに、過去の一歩が失くなっていく。 いつかこの場所もゼロになってしまうのだろう。 『霜柱を踏みながら 23[最終話]』 たとえばとてもいいお天気で、暑くもなく寒くもなく、窓を開けていると穏やかな風が遠慮がちに入ってきて、そんな中でソファに寝転がって好きな本を読んでいたらウトウトと眠くなって、猫が横でにゃ〜と鳴いても気づかずに深い昼寝に入っていく。手に持った本はバサっと床に落ちて、床で開かれたページはなんてことない小説で、そこには複雑な意図も何かの予言も何も書かれて