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[私小説] 霜柱を踏みながら

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私小説です。時系列でなく、思い出した順番で書いてます。私の個人的な思い出の物語です。
このマガジンは私の私小説風のエッセイで、月に3本くらい2000文字前後の作品を投稿していく予定です…
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#私の人生

青春は、傲慢と謙虚のはざまでゆれる

一歩進むごとに、過去の一歩が失くなっていく。 いつかこの場所もゼロになってしまうのだろう。 『霜柱を踏みながら 15』 両親があんな風だったせいもあり、それに加えひとりっ子だったせいもあり兄弟・姉妹の世話をすることもなく、親戚も遠方にいたため四六時中の付き合いもなく、両親と向き合っていない時はひとりで時間を過ごすことが多かった。今のようにインターネットやゲームなどはなく、ひとり遊びの原点といえば漫画本を読むか児童図書を読むかくらいしかなかった。今の子供たちからすればなんて退

最後まで、あなたは溶けきらない氷でした

一歩進むごとに、過去の一歩が失くなっていく。 いつかこの場所もゼロになってしまうのだろう。 『霜柱を踏みながら 13』 早朝、ベッドの中で起きようかどうしようかとうだうだとした時間を過ごしているときに携帯電話が鳴った。着信画面から相手は誰だかわからないが、日本からだということがすぐにわかって電話に出る。 「もしもし。私、お母さんだけど、ちょっとお願いがあるのよ」 「何?」 「明日ね、乳癌の摘出手術を受けるのよ、家族の立ち合いが必要なんだって、病院まで明日来てくれない?