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個人的SteveVai語録②

Steve Vaiのインタビューは音楽に限らず、普遍的なことに言及したりします。色々なインタビューを読んできた中で、好きなものを抜粋して紹介します。


テクニックはエモーションの邪魔にならない

ヘタにテクニックがあるとエモーショナルなプレイヤーにはなれないと考えているようだけど、僕には全く理解できないね。

YOUNG GUITAR 1997年4月号

アルバム『Fire Garden』やG3のツアーで充実したライブを展開していた頃のインタビューで、リスナーからテクニカルな演奏をライブでも要求されていることについて、テクニックの重要性と、テクニックが演奏のエモーションを邪魔するといった偏見について答えたもの。

基本的にはテクニックは自分自身を表現するためにしか使わないんだよ。(中略)
表現するだけのテクニックを持ち合わせていなかったら、ためらってしまって
せっかく得た感性(インスピレーション)を失ってしまう。

これは”ライブはレコーディングよりもテクニカル的に劣るのでは?”という文脈の質問なのだけど、どの時代も、テクニックや音楽理論は音楽的インスピレーションを”邪魔する”という人たちがいる。
そして冒頭の言葉にこう続けている。

テクニックはどう使うかが問題であって、それを備えてること自体を否定するのはナンセンスだよ。そういうことを吹聴する人たちは、プロフェッショナルな
テクニカル・プレイヤーになるための忍耐や努力などの経験を積んだことがないんじゃないかな。


これはずばりと、テクニック批判をするのはその努力をしたことが無い人、あるいは挫折した人が展開していると言い切ってる。(なんかTwitterでよく見るアレみたいなもんですね)
僕はこのインタビューをリアルタイムで読んで心底納得し、テクニックを磨こうと決心したのでした。高校2年の1年間は毎朝6:30に起床して朝練してました。そうだった、ヴァイ先生のおかげだった。

以後、僕はテクニックと音楽表現について、テクニックは自己表現のために使うのであり、表現したいことを実現するためにテクニックは必要であり、それを否定・批判する人はそういった努力ができなかった人だと答えるようにしてる。

実際のところ、楽器のテクニックはどこをどう磨いていいのか分からない人も多いはず。
そういう時、先人の知恵を信じてエチュードに向かったり、基礎練を続けることで、ある日突然に自分の進化を実感するものですよね。続けなきゃ得られないのが楽器のテクニック、教則本を買うだけじゃ身につかない。

つまるところ楽器のテクニックは、根気や忍耐というより、生活習慣によって支えられています。毎日の暮らしにどれだけ楽器や音楽の時間を割けるか。あるいは、自分の生活において無理なく続けられる負荷はどれくらいか。なにごとも技術を磨くためには、生活を見直さなきゃいけないのでしょう。

ヴァイ先生はこのインタビューで「練習する時間を取りたい」と答え、その後数ヶ月のオフを取って練習に励んだそうです。





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