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個人的SteveVai語録①

Steve Vaiのインタビューより、素敵だなぁと感じた部分を抜粋していきます。
索引もつけておくので、もし興味があれば本も買ってみるといいでしょう。


あるのは「好み」だけだよ

誰一人として「何々はこうあるべきだ!」なんて言える権利はないんだ。
あるのは「好み」だけだよ。


YOUNG GUITAR 1990年7月号

アルバム『Passion & Warfare』のリリースに伴うインタビューのなかで、ギターソロを組み上げていると答えたVai先生。それについて「ソロは即興演奏が最高だというプレイヤーもいるがどう思う?」という質問についての回答。
意訳すると、即興演奏が素晴らしいという人がいてもいいと思うが自分は違うというニュアンスの中で、

でも「インプロヴァイズするべきだ!そうでなければいけない」なんて
強制的な考え方は、イカれているとしか思えない。
てんで分かってないんじゃない?!

と答えています。続けて、

インプロヴァイズしたソロが全くヒドい事もあるし、
練り上げたソロがヒドい事だってあるんだから・・・分かるだろ?

という、極めて当たり前の事実を語っています。
これは当時のギターインスト界隈の空気感をよく表したやりとりだと思います。同インタビューで引き合いに出されたアラン・ホールズワースなど、ギターの”テクニック”にフォーカスする時代だったのでしょう。また、テクニックに食傷気味な時代であったとも言えます。
たしかに1990年のころは、ジャズやフュージョン界隈のギタリストは超絶テクニックを駆使するプレイヤーが沢山活躍していました。早弾きメタルな音楽に飽きてきたギターキッズがフュージョンなどに流れていく過程で、即興演奏の難しさや素晴らしさが浸透していったのだと想像できます。

読者の中でも派閥が生まれていたのでしょう。
この質問のような、「即興演奏は難しい」「決められたソロをやるのは幼稚だ」という意見も少なくなかったに思います。実際に演奏する側からすれば、どちらも別の難しさと分かりそうなものですが・・・・・

Vai先生はこの問いに対し、ギターのことに限らず、すべての意見は尊重されるべきで、勝ち負け・勝負する次元の話ではない、と明確に答えています。
クリエイターとしてはよく分かる意見です。
自分が好きだと感じるものを作っているうちは、誰かの意見なんか必要ないですからね。もし自分の作品にケチをつけられたとしたら「じゃあ君が好きなのを君自身が作れよ」と答えることになります。
誰かの作品を否定しても、何も生まれませんからね。

民主主義の精神そのもので、読んでいてハッとしました。


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