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リズム感は先天的なものではない。

「リズム感がない」ということについて、備忘録。

様々なレッスン生を教えてきましたが、お子さんについて「リズム感がないんですよ」とおっしゃる親御さんは少なくありません。(個人的にリズム感がなくても楽しめりゃいいと思うのですが仕事なので)模範的な回答をするようにします。


リズムは習慣により体得する

人間の動作は基本的に周期的なものです。歩くこと、噛むこと、視線を動かすこと、団扇であおぐこと、喋ること、すべてほぼ一定のスピードで行っていると思います。
これらの動作を「これがリズムの裏表ですよ」と言うと、結構みんな怪訝な顔をするのですが、結局リズムというのはカウントすることですので、12121212・・・・・でも123123123・・・・・でも、12341234でもなんでも、一定にカウントする習慣があればその度、リズム感は養われます。


体を動かすことを禁止されていると理解が難しい

子どもは親の評価を気にするし世間体をすごく気にするので、間違って恥をかくことを異常なほど恐れます。いや、そういう風になるのは正常なことです。
ただ、前述のとおりリズムは体の動きにより体得していくものです。小さい子どもがずっと走り続けていたり、飛び続けている動作の中でリズム感は養われていくのですから、これを禁止されているとリズムという概念自体を理解できていない状態になってしまいます。そういう子は、どういう意識で音楽を習っているかというと・・・・


順序を守るためにリズムを捨ててしまう

失敗を責められたり、叱られたり不機嫌になられたりすると、子どもは失敗をしないように慎重に行動するようになります。楽器も同じで、ミスをとがめられたり馬鹿にされたりすると、いかにミスをしないかを重視するようになります。
そして比較的叱られが発生しにくい「順序通りやる」を選ぶのですが、これはリズム感を捨てて、本読みをするように音楽に向かうことになります。
そのやり方では音楽の基本である一定のリズムで進んでいく感覚は育ちません。


失敗を褒めることで体を使えるようになる

(大人でも子どもでも)リズム感を養いたいならば、失敗してもいいので一定のスピードでやるよう指導する必要があります。その際、音程を失敗しいても体の動作がキープできれば褒めるようにすることで、徐々に音楽と体が一致してきます。
なにごとも褒めが必要ですね。


リズムについての勘違い

リズム感やタイム感について、先天的なものだとか国によるとかいう勘違いは、中々に根深いと感じます。

これはリズムトレーニングのメソッドがシェアされていないことが原因です。決して吹奏楽文化がーとか、クラシック文化がーとかいう”誰かのせいだ説”は関係なく、単純にリズム感とは鍛えられることだという、その方法が知られていないだけです。

リズムトレーニングについては今回は割愛しますが、そんなに難しいことではないです。とりあえず裏拍でメトロノームを鳴らしながら練習すればいいのです。
みんな難しく考えすぎだし、訓練には時間を要することを無視しすぎなのですよね。だから誰かのせい、何かのせいにして、気持ちを落ち着かせたいのだろうと思います。

それでも「日本人はリズム感が・・・・」という方がいらっしゃいましたら、グラミーをとった学友(専門学校の先輩だった)の小川慶太くんを紹介してやってくださいね。


サポートなんて恐れ多い!ありがたき幸せ!!