男の子と電車

あるところに電車が大好きな男の子がいました。
だけど、男の子が住んでいたところは、
とても田舎で、電車を見たことがありませんでした。

男の子は、電車の図鑑を見るのが大好き。
白くて速い電車が特に好きで、
いつか、その電車を見てみたい、乗ってみたいと思っていました。

ある日、親戚のおじさんの手伝いをするために、
お母さんと車で出かけました。

おじさんちは、山の中にありました。
車に揺らされて、男の子はうつらうつらとしておりました

山の麓まで車がきたとき、男の子は、窓の外を見ると、山の中に白い電車があるのを見ました。
あの白い電車だと男の子は嬉しく思いました。

白い電車は、ピカピカでとても速そうでした。

着いたわよとお母さんが言いました。

男の子は、あれ?と思いました。
ピカピカの電車が消えてしまったのです。

男の子は、お母さんに言いました。

今ね、見たんだよ白い電車、速い電車
でも、消えちゃったんだ
お母さんは見てないの?

お母さんは、にっこり笑って言いました。

とても良かったね、すごい幸運だったわね
残念だけど、お母さんは見れなかったわ
また見えるといいね

男の子は言いました。

お母さん、見えなかったの?
また、見たいな、次見たときはすぐに教えてあげるね

お母さんはありがとうと言って、男の子の頭をなでました。

さあ、これからおじさんのビニールハウスでお手伝いです。
白く光るビニールハウスはとても長く、端の方は見えません。

これはお手伝いが大変だと、男の子は思いました。

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