かぼちゃさんとトマト君

かぼちゃさんとトマト君は、お隣さんどうし
かぼちゃさんは、家でグラスやマグカップを眺めるのが好きで、
トマト君は家の外で、元気に走り回るのが好きだった。

ある日、トマト君が壁に向かってボールを投げて遊んでいると、
間違って、かぼちゃさんの家に、ボールが飛んでいった

ガシャン!とすごい音がした。

トマト君は、かぼちゃさんの家に行くと、
窓が割れ、かぼちゃさんの家の食器棚にボールが突っ込んでいた。

ごめんよ、かぼちゃさん。
ボールを間違って投げ込んでしまった。
窓を割っちゃってごめんなさい。

かぼちゃさんは、許さなかった。
怒ったまま静かに、食器棚の掃除を続けていた。

ごめんよ。かぼちゃさん。
トマト君は、また、謝った。

かぼちゃさんは
何をだい
とトマト君に尋ねた。

トマト君は、やっと口を開いたかと思ったら
何をだいとは、何様なんだと
赤い顔、さらに赤くして、ムカッと
ボールを間違っていれてごめんと言ってるの!
と怒鳴った。

かぼちゃさんは、もういい帰ってくれと言った。
皮だけじゃなく、頭まで硬いやつだと
トマト君は思い、ムカムカしながら帰った。

夜になり、トマト君は、まだ怒っていた。
でも、なんで許さないんだろうと不思議になってきた。

あの時かぼちゃさんは、悲しそうに部屋の掃除をしていた。
そう、窓じゃなくて、食器棚の

その時気がついた。
そうか、かぼちゃさんは、窓が割れた事じゃなくて、
大切にしていた、グラスやマグカップが割れたことが悲しかったんだと

翌日、トマト君は、グラスとマグカップを買って、かぼちゃさんに謝りに言った。

君の大切にしてた、部屋や、グラスやマグカップを壊してごめんね、びっくりさせてごめんね。

泣きながら、グラスとマグカップを差し出して、
前のと同じじゃないけど、もしよかったら使って

そう言って、扉をしめて帰ろうとした。

すると、かぼちゃさんは、
お茶でも飲んでいきなよと言った。

また、かぼちゃさんとトマト君は、仲のいいお隣さんに戻った。

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