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ヒッチコック的手法の同人エロゲ

喋った:

[性教育は蜜の味]
https://twitter.com/becomegame/status/1214537764307271685

昔のバイオハザードとか、あとPSに入ったばかりの頃のFFでも良いんですが、
一時期3Dのゲームで「カメラ固定」の視点ってありましたよね。

バイオハザード1がやっぱ例に出しやすいんですが、洋館の廊下の、隅の天井近くから見下ろす様なカメラアングルで、
で主人公はカメラの手前から奥、つまり廊下の奥側に行く。
今のTPSだったらそれを肩越しに追い掛けたりするんで主人公は一定の大きさなんですが、
カメラアングルがそこに固定されてるから、廊下の奥に行くほど主人公が小さくなっていくっていう。

あれは恐らく技術的な制限、つまり全部を3Dモデルで形成するにはスペックが足りなかったんで
一部は3Dレンダリングでやってるとか、
そういう理由もあったのですが、
プレイしてみると特にバイオハザードなんかは、独特の怖さに繋がっていましたよね。
まぁこの手のアングルに付き物の操作分かりづらいとか、主人公小さくなって見えない所でなんか引っ掛かる……とかってのはあって、
だからでしょうか、最近家庭用とかでは見ないんですね……

でそんな事を考えていた時に昨年出て来たのがこの同人エロゲ、[性教育は蜜の味]ですよ。

これの体験版やった時に非常に驚きまして、
2D絵でこそあるんですが、その絵作り、画面構成がまさに固定アングルなんです。
しかも本来ADVを作るツールでつくられてますから、本当に1歩ずつ歩いて行くあの操作のし辛さまでも再現されてるような感じで。
廊下の奥に向かって、行く所まで行ったらパッと画面……カメラが切り替わる、なんてアングルまでも同じですよ。

でこれがどういうゲームかと言うと、ロリが汚いおっさんだらけのご町内を歩き、
エロに巻き込まれていく……という箱庭エンドレスアドベンチャーを謳ったような物なのですが、
体験版でも起きるイベントがもう独特。

自分の部屋からちょっと窓の外が気になって見てたら、藪の中、隣との戸板に僅かに穴が空いていて、
そこから目玉が覗いているとか。覗きですね。
ベランダに出てみたら、ヘンなおっさんが勝手に庭に居るとか。

そんな状況で、シャワー室に行ってみて、浴びたらこのアングルですよ。
幾ら何でもこんな細長いシャワー室ないやろと思うんですが、絶対条件満たしたら、奥側から何か入って来て襲いそうじゃないですか?
まさに固定アングルだからこそ有り得るこの圧迫感というか、独自アングルですよね。

全然関係無い話をすると、これの感想記事を書いた時に思わずシャワーシーンって連想から「ヒッチコックの様だ」って書いちゃったんですが、
amazonプライムに来てたんでサスペンスの名作『サイコ』を観た訳ですが、
ここまでパースは聞いてなかったですね、
むしろシャワーの湯が出る頭の部分をカメラにしたり、カメラ=目ってした描写が多かった。
その意味では覗きとかのビックリ感とかがまさにヒッチコック感ですね。
エロ同人界のヒッチコック的手法と言っても良いかも知れない。

しかしバイオハザードがこうした固定画面での圧迫、不安感を採用したのは分かるよ、
ゾンビ犬が窓を破って入って来たりの驚きとかホラーの為でしょ、
でも同人エロゲでそれをやる意味は何? って事なんですが、
時勢を眺めますと、この様な一つのエリアの中でエロイベント見まくりのエロRPGってのは
ツクール系というか、見下ろし視点のRPGが主体ですよね。

そんな所に一つ一つのエロベントが印象的になるだろう、
余りに独特な楔を打ち込んだという時点で、絵柄とか移動のしにくさも含め人は選びそうですが、
大きな存在感を放つ事に成功しているよなあと。

[性教育は蜜の味]の絵は2Dですが、別にこれは3Dポリゴンならもっとやりやすい事ですよね。
でもUnityとかが全盛の今でもこういう発想のエロADVとかが出て来ない。

こんなゲームもあるんだよ、忘れんじゃねえぞ、同人エロゲ止まるんじゃねえぞ、ということで。


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