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Happy birthday

テヒョン、今日はあなたのお誕生日ですね。あなたの国と私の国では歳の数え方が違うそうで、なんだかややこしいのでその辺は有耶無耶にしておきます。とにかくお誕生日おめでとう。年の瀬に生まれたあなた。お母さまはさぞ大変だったでしょうね。それとも賑やかな年の瀬とは別世界のように静かな病室で、可愛い可愛い初めての天使を抱きしめながら幸せを噛み締めておられたのかな。

あなたのことについて何か文章を書こうと思ったけれど、どうしても推しフィルターが掛かってしまって客観的に見られませんでした。なのでこうして、あなた宛の手紙を認めようと思います。


あなたはまさに、私にとってのパラダイス。存在自体が楽園。忙しなく毎日を送っているご褒美に行く異国のようなもの。空が広くて、風が気持ちよくて、聞こえる言葉はまるで歌の旋律のよう。目にするものすべてが新鮮で、刺激的で、心が弾み、全身が喜んでいるのを感じる。時間の感覚もなくなって、ただただそこに流れる空気に身を任せたくなってしまう。ずーっとそこに居たくなるんだけど、でも居続けると私という存在が何だったか忘れてしまいそうになるから、またあの日常戻らないといけないの。でも、戻ったとてあなたは私を離してくれない。頭の片隅に居座って、その目でずっと私を見つめている。その声でずっと私を呼んでいる。その手でずっと私を手招いてる。あなたはとても甘くて、それ以上に危ないひと。


神が創りたもうた奇跡のようなお顔はもちろん、鳩尾からゾクゾクするような深い声、曲の世界観によって別人のようになる表現力、美しい唇から紡がれる温度感のある言葉、触れてほしいと思わせる魅惑的な手指、ダンス映えする長い脚、柔らかそうな髪。豊かな毛量。思わずつられてしまうチャーミングな笑顔。思っていることが隠せないコロコロと変わる表情はどれも可愛くて。かと思えば “5秒に一度悲鳴が上がる” Singularityを歌うときのあなたは、その悲鳴を餌にして大きくなる魔物のような雄々しさを見せてきたり。無意識にやっているのかはたまたすべて演技なのか、本当のあなたはどんな顔をしているのか、もっと知りたい、もっともっと…と思わせてくれるあなたは本当に魅惑的。

それと、私はあなたのその美意識や哲学、世界観が大好き。興味のあることを見つけると、まずそのスタイルを踏襲し、その世界に没入する。そしてそれを自分の中で熟成させて自分のスタイルに合わせて再構築する。そうやってあなた自身がどんどん深くなって味わいを増していくのを見ているのがとても好きです。



私がこの1年間、あなたを見てきて思ったこと。これはもう100%私の憶測でしかなくて恐縮ですが、きっとその恵まれ過ぎた容姿と天使のような優しさで、つらい思いや嫌な思いもたくさんしてきたのではないかな、と思います。あなたが誰かの役に立つとすごく喜ぶこと、誰かの願いを叶えてあげようとすること、ひとに必要とされることに喜びを感じるということは、必要とされないことに恐怖心があることの裏返しなのかな、と思います。その優しさに漬け込まれることもあっただろうし、容姿ばかり褒められることに違和感を覚えることもあっただろうし、自分は真剣に話しているのに「不思議ちゃんだね」「天然だよね」なんて揶揄われることをもどかしく感じることもあったでしょう。しかも素晴らしく個性的なメンバーたちが常にそばにいて、彼らと自分を比べてしまいその姿を眩しく感じることもあったかもしれません。それ故に自分が分からなくなったり、自分の足元が見えなくなったりしたこともあったでしょう。ロールモデルを設定してその世界観に身を浸していくあなたは、ともすれば自分というもの、アイデンティティを見失いやすいのかもしれません。なぜそこまで『誰かに必要とされること』『愛されること』に恐怖心を持つほどこだわるのか。何か大きな出来事があったのか、些細なことの積み重ねがそうしたのか、残念ながら私に知る術はありません。
そしてこのコロナ禍。アミの瞳に自分を写してその存在を自身で確かめていたあなたにとって、こんなにも長い間その瞳が見られなかったのは想像を絶する恐怖だったと思います。愛されたがりのあなたにとって、自分が愛されているのか分からない、実感できない状況に置かれ、しかもそれがいつ終わるか分からないなんて、目の前が真っ暗になったでしょうね。



でも、そんな自分も全部抱きしめてもう一度前を向こうとするあなたの強さ、しなやかさに私はすごく励まされました。みんなきっとあなたと同じなんです。みんな抱えているものがあって、挫けそうになって、自分が嫌になって分からなく時があるけれど、大人だからそれを見せないように踏ん張ってる。でもあなたは自分にとてもとても素直だから、全部透けて見えてしまう。だけど、そんなあなたの姿に励まされた人って沢山いると思います。私もその一人。あなたも私と同じように葛藤して落ち込んだりすることがあって、それでも前を向こうと頑張ってる。その過程を見せてくれて、共有してくれてありがとう。大丈夫、あなたは愛されてるよ。必要とされているよ。少なくとも私はそう。あなたがあなたでいてくれるだけで、こんなにも救われている人がここにいます。だから自信を持って、なんて烏滸がましくて言えないけれど、そんなあなたを好きになれたことがわたしの自信になっています。

だから、今回のLA滞在中、ニコニコと朗らかに笑うあなたを見て、本当にホッとしました。久方ぶりに見るアミの瞳に溢れんばかりの愛を感じているあなたは、本当にキラキラと目も眩むくらい輝いていました。あんなに大きなスタジアムが、あなたへの愛でいっぱいになったんだよ、嬉しいよね、わたしも自分のことのように嬉しかった。

……ちょっと長くなりすぎて、何が伝えたいのか分からなくなってきました。ごめんね。ただ2021年のこの日に私が願うのは、あなたがあなたのままでいられますように、ということです。怒ったり悲しんだり落ち込んだりする感情もすごく大切だと思うから(なるべく少ない方がいいけれど)、いつも笑顔で、いつも幸せでいて、とは言いません。あなたの周りからマイナスなものをすべて取り去ってあげたい、とも言いません。でも、あなたがあなた自身でいられる、自身を好きでいられる環境や人々があなたの周りにあるといいな、と思います。あとは好きなものを食べて、ふかふかのお布団で眠れていたらいいな。ヨンタンやご家族と過ごす時間がたくさんあるといいな。大好きな人たちとも、直接会うのは難しくてもお話しできていたらいいな。好きな音楽や映画を楽しむ時間があるといいな。そしてそんな中で培ったものをまたあなたの中で熟成させて、いつの日か私たちに見せてくれると嬉しいです。今日ぐらいはゆっくりじっくりと、誰かの幸せを願うんじゃなくて、自分で自分を必要として、愛して、願いを叶えてあげてね。それを自分に許してあげて。


あなたのことが本当に大好きです。届かなくてもずっと。

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