見出し画像

椿三十郎と室戸半兵衛の切ない関係

椿三十郎!!!!! 
NHKBSで放映してたのみたけど、おもしろかった~!!!!!
三船敏郎かっこいいし、押し入れからでてくる小林桂樹かわいいし、
無鉄砲な若者たちも、自分の若気のいたりを思い出してこそばゆい。
失敗した時の反省する姿、かわいいなぁ。たぶん三十郎もかわいいと思ってんだろうなぁ。
いや、ちょっと面白すぎて、びっくりした。見るのやめられなかった。
面白かっこよすぎる!!!!!

で、ここから「腐女子」目線が入った感想なので、苦手な方は読まないで欲しい。あと、ここからネタバレ要素もあります。

とにもかくにも…世界のクロサワ作品からBLを感じ取ってしまい、自分も困っているので、もう書き出すしかない。BLとはちょっと違うかな?なんなんだ、この感情は。とにかく室戸半兵衛(仲代達也)の椿三十郎(三船敏郎)への感情が切なかった…

三十郎が最初に室戸を訪ねていった場面。室戸のあの嬉しそうな顔!!!!
「お前はくると思っていた」って信じきってたよねえ。
「俺も相当悪い」って自覚してる悪党なのに、あんた、なに、三十郎を信じてるの!

悪役って孤独、孤高のイメージあるけど、悪党には悪党の仲間が欲しいんじゃないかな…
三十郎も悪党だと思う。同じ悪党だから、室戸たちの行動がよめるわけで。
ギラギラした抜き身の刀のような人間。鞘におさまらない者同士。
室戸は自分と同じ人間に出会えて嬉しかったんじゃないかなぁ…

ラスト、室戸が三十郎に「お前はひどいやつだ」っていうんだけど…
こんなこと言う悪役いる???
三十郎に「あいつら(若侍たち)は斬らないでやってくれ」って言われて「うん」って素直に答える悪人いる???

ほんとさぁ、三十郎はひどいよ。室戸が自分を信じてるのを分かってて利用して、室戸が見下してる若者たち側に肩入れしちゃうわけでしょ。
室戸にとっては屈辱だ…でも魅力あるから許してしまうよな…

この二人、たぶん、心に隙間風がふくような孤独をずっと感じてきたんじゃないかなー。
でも、三十郎は他人を愛おしむ心があるけど、室戸は他人を利用することしか考えてない。
ずっと一人で生き抜いてきたのかもしれない。誰かに助けられた経験が無いのかもしれない。愛情を知らないのかもしれない。

三十郎は鞘におさめる大切さを理解してて、
室戸は鞘におさめることを望んでない。
室戸は三十郎と一緒に歩みたいのに、三十郎はやっぱり自分は一人が性に合ってると気づいてて。

まぁ、こんなことを感じながら視聴してました。考えすぎでも、そう感じてしまいました。
ラストの斬り合い、間合いの緊張感、かっこよすぎる。
これはもうラブシーンにしか見えませんでした。だって、お互いの命を賭けてるんだもん。一瞬の濃密な魂のぶつかり合い。

室戸は三十郎と一緒に(悪党として)生きていけると希望をもってしまったがために、裏切られて傷ついてる。あれは傷ついてるよ…
そして三十郎は彼の心を、自分が踏みにじったとを分かってるから、斬り合いに応じてあげて。室戸→三十郎への感情がでっかかったね。それに応える三十郎の男気よ。
やっぱ、三十郎がかっこよすぎるのがいけないんだな…

とにかく、最高の時代劇を作ってくれた黒澤明作品にたいして
なんだか申し訳ない妄想を抱いてしまったけど、
最高の最高の最高の時代劇作品でした。
来週は「隠し砦の三悪人」!!!!!楽しみだー!!!!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?