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気づかずに叶っていること

思えば、子どもの頃はやりたくてもできないことがたくさんあった。たとえば、夜更かしすること。好きなお菓子を好きなだけ買うこと。友達と夜まで遊ぶこと。全部、やりたいなあと思っていた。

今、当たり前のように夜更かしをしている。夜中に映画を見てもマンガを読んでも誰にも怒られない。遊びたければ日付が変わるまで外にいてもいいし、友達に会いたければ連絡をして、何時だろうと会えばいい。誰の許可も得ずに、コンビニで好きなお菓子やアイスを買っていい。


「夢を叶える」というのは大層なことばすぎて、日常であまり使い所がない。だけど、小さな夢は、気づかないうちに日々叶っていたりする。いざ現実になってしまうと、「夢が叶う瞬間」というのはあまりにもあっけない。日常にまぎれて、すっと通り過ぎてしまうのだ。


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今日は、2011年から一緒に自費出版の小さな雑誌をつくっているメンバーで、久しぶりに集まった。普段はみんな別々の場所(うち一人はセネガル!)で暮らしているので、会って話すのはものすごく貴重な機会だ。

雑誌といっても素人が手探りでつくったもので、1冊完成させるのに3年もかかっていたり、書店を一軒一軒訪ねて「これ置いていただけませんか」と地道な営業を続けたり、本当に細々とやってきた。よく続いているなあ、と、自分たちのことながら感心する。

淡々とやってきたのと、目に見える大きな功績がないのとであまり実感がなかったけれど、ふとこれまでを省みると、7年前には考えられなかった場所にいる。私たちがつくった雑誌は、今は50店舗近くのお店に置いてもらっている。トークイベントに呼んでもらったり、メディアからインタビューを受けたりもした。知らない人が「その雑誌読んだことあります」と言ってくれたこともある。

発行部数も知名度もささやかすぎるものだけど、何も大きなことは成し遂げていないかもしれないけれど、それでも、小さく叶ったことがたくさんある。


日常はノー編集なので、見出しもなくハイライトもなく、すべては淡々と過ぎ去ってゆくけれど、たまには過去を振り返ってハイライトくらいつけてあげてもいいんじゃないかな。と思いました。小さく叶っていること、たぶん意外とたくさんあるよ。

あしたもいい日になりますように!