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一年の終わりに聖なるテテちゃんの謎解きを


大きな目が瞬きをする。幻想的なビジュアルの彼は、キム・テヒョン。またの名をV。

私は彼にいつも童話を思い浮かべずにはいられない。それは何故か、


「手ぶくろを買いに」


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彼の言葉を、絵本に出てくるような子供の瞳や、動物の瞬きのように思ってしまうのは何故だろう。そう表現したくなってしまう。

小さい頃に読んだ絵本の話を、この間彼にふと思い出した。

雪の朝、表を走り回って帰ってきた子狐の冷え切った手を握りながら、母さん狐は手袋を買ってやろうと思いついた。夜になって町に出かける途中で、母さん狐は子狐の片手を握って人間の子供の手に変えた。そして子狐に、町の帽子屋へ行って戸を少しだけ開けたら、人間の方の手を出して「手袋をください」と言うように、と教えた。間違って狐の手を出してしまうとひどい目に遭うからと。子狐は町に着くと帽子屋を見つけ戸を叩いた。帽子屋が戸を開けた拍子に差し込んだ光がまぶしくて、子狐はつい狐の方の手を出して、「手袋をください」と言ってしまった。帽子屋は、狐だなと思ったけれども出されたお金が本物であることを確認すると黙って手袋を渡してやった。帰り道、家の中から聞こえる子守歌を聴きながら帰った子狐は母さん狐に「人間ってちっとも恐かない」と、間違った手を出したけれど帽子屋は手袋を売ってくれたことを話した。母さん狐はあきれながら、「ほんとうに人間はいいものかしら」とつぶやいて物語は終わる。(wikipedia参照)

この世の理不尽な運命のことを、生きていく中で知らない人間はこの世に居ないように、彼の大きく澄んだ瞳もまた、それを知っているだろう。

だけど彼は、本当は知っているはずだったことを、本当に大切なことを、やさしく教えてくれるように、思い出してみて?と見つめるように、言葉を渡してくれる。

私は彼が純粋だとか素直だとか真っさらだとか、そうでなくたってよくて、それなのに、それでも、彼はいつも優しい。


例えば彼の言葉が透き通った水のように透明だとしたら、それは彼による濾過によって出来上がった透明なのかもしれない。

透明な水に黒い点が落ち、グレーになったとしても、それを受け入れて放棄することなく、誰かのせいにすることなく、濾過し続けたからこその。

それは決して簡単なことではなく、誰にでもできることではないと、私は思う。

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星の王子様のいる場所


そんな彼が、誰かから羨望される"特別"から解放されて、ただ誰かの弟として、誰かの親友として、誰かのお兄ちゃんとして、どこかの可愛いワンちゃんのお父さんとして、存在している場所。

それは、ただ愛おしくて大切なという意味でのかけがえのない"特別"な存在であるから良い。


特別であることに誤解されて寂しくなったり傷つけられないように、それ以下でもそれ以上でもなく、ただキムテヒョンとしていられるように、好きなように言葉を喋って好きなようにやらせようとする、仲間として切磋琢磨したりたわいもないことではしゃいでふざけあったりする。

私は知らないけれど、きっとそうなのだろう。


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私が個人的感情で特別に好きな(ヤー!)ユンギさんと彼の有名なエピソードで大好きなものがある。前にも書いたことがあるが、あの石の話だ。

ユンギさんに彼が詩の中で言った一節、

「来世は石に生まれ変わりたがっているけど、心配しないで。僕がいつもそれを身につけてあなたと美しいところにたくさん行くよ。」


いつかの私が、求めていた答えだった。そこにあったものが複雑な心理か、そうでないかはわからない。けれど否定せずに、信じられる確かなものを持って救うことは簡単ではない。

答え方に正解なんてないけれど、私の中ではこの答えが一番だ。一生忘れないと思う。めくったページにはこの言葉があって欲しい、そう思う。


(ここで少し私が想像する勝手な物語)

あなたは今雨に濡れている。傘を持っていない。だけどもうそんなのどうでもいい。ただ打たれていたい気分だ。

そんなとき、彼は一緒にしゃがんで綺麗な星をどこかから見つけては陽だまりのように居てくれる人のように思う。彼は水溜まりに虹を見つける。そしてあなたを見て言うかもしれない、

「虹の最後の色、紫色の意味を知ってる?」と


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どちらにしても雨に濡れる人を無理やり中に入れたりしないように思うのだ。なぜ雨に濡れてるのか雨が降ってるのにじっとしているのか、そういうことを問い詰めたりもしないように。疑問にすら思わないかもしれない。

これは彼だけではなく、彼のそばにいる6人も、そういう優しさのかけらを持つ人たちが集まっているために、特別に救われてしまうのだ。


Winter Bearにみる彼


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春の日と対照的に彼が8月に持ってきた冬は暖かい冬だった。


(個人的に、春の日で8月にやってきた「冬」はもう二度と叶わないこと、恋しさに凍える心を表現する「冷たい冬」だと思う。)

真夏の夜にアップされたこの曲が8月に持ってきた「冬」は、息苦しい季節、息詰まってる心に吹く心地良く暖かな風のようで、冬眠する熊のような安らぎと眠りを祈る「暖かい冬」。


彼はきっと、どの季節にも優しさと暖かさを持ってこれる人だ。


春に芽吹く花や飛び立つ鳥達、小さな命たちに魂や命、色を吹き込むような、
夏の息苦しさに心地良くて涼しい風をなびかせるような、
秋のちょっと切なくて寂しくなってしまうような物悲しさに毛布をかけてくれるような、
冬の凍える寒さに灯をともしてぐっすり眠れる寝床を作ってくれるような

その対象は彼の周りの人だけじゃない、人間だけじゃない、この世に育まれる小さな命、もしくは月とか太陽とか宇宙とか偉大な自然に対してでさえも、同じように包み込む、この世の全ての生きるものに愛される、不思議で健気で無邪気で、嬉しくて悲しくて、楽しくて切なくて、大人で子供で、嬉しいのにどうして泣いてしまうんだろうと困り顔で微笑む時の感情そのものみたいで、不思議な存在だ、いや、私たちと同じ人間であることは確かなのだけれど。


謎解き


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私が個人的に考える彼のことを、恐れ多くも彼の誕生日を機に書いてはみたものの、謎は一生解けないだろう。

彼に限らず、私は彼らのことを何も知らないのだから。
その上で文章を書いていることはいつも言っている。

だけど人の謎なんて、そもそも考察したり解く必要もない気がしてきた。

彼の謎が解けないように、私の謎だって、友達の謎だって、あの人の謎だって、これを読むかもしれないあなたの謎だって、完全に誰かに解かれることはない。ぴったりハマる正解はないのだ。

そうだけど私たちは彼のことを、知りたいと、謎解きを諦めたくないと思うだろう。


それこそが、彼の"特別な"魅力だ。


何も知らないかもしれないけどただ、私も、あなたに多く幸せが舞い降りることを願う世界中の人たちの中のひとりです。

お誕生日おめでとう、誰かにとっての眩しく愛おしい、いつまでも小狐のような瞳で世界を見る、逞しく麗しい貴方へ。

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2019.12.30 (に投稿したかったもの)(ジンくんの時と同じく遅くなってしまった)

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