河岸を変えて
行きつけの店から、徐々に足が遠のき始めているのですよ。
なんとなく気づいたら長いこと通ってたけど、まあ居心地は悪くなかったし。いいやつばかりじゃないけど悪いやつばかりでもなかったもんね。そうそう、有意義なやりとりやいい出会いもあったものでしたよかつては。
でも最近ちょっとね、気の所為かもだけど客筋もなんか私が苦手な感じなのが増えてる気がするのですよ。耳目を集めるためだけ?みたいな心ない言葉の類がやたら聞こえてくるようになった気がするんです。そんなに賛同する人たちの声もまたエコーのように。あれかね、オーナー変わってからかね一気におかしくなったの。なんか店のシステムもよくわかんなくなってきてるし、突然店名も看板も変わって(なんだったらピカピカ光って近所迷惑とかウケるんですけど)ねえ。なんだか以前からの顧客からすると「えぇ?なんだいそれは」みたいな残念なことばかり。なんだかねえ、とりあえず話題になればいいみたいな人たちのための店にしたいかなと思ってしまう。嫌だねえ無粋だねえ。
でもさ、あそこにはまだまだ顔なじみの人もいるんだよ。その人が来てるかなと思ってちょいと覗くことはある。ああまだ居たんだ、見かけたら元気そうだなと思って安心する。会釈程度のリアクションや少し言葉を交わす人もいる。そこでしか会えない人のためにお知らせしたいこともある。なので「もう二度と行くもんか」とはならないけど、滞在時間は、間違いなく短くなっているし、これからもそうなっていくのかなって思ってしまう。
そんで、最近は別の店に顔を出す頻度が増えてきているんですよ。まだ「行きつけ」とはほど遠く、どう過ごしていくのかいまひとつ掴みきれていないし戸惑ってはいるんですけどね、でもそこにはそこの場所なりに心地よさもあるのかもなぁと思い始めてるところでして。「ああここの常連さんもなかなか良いぞ、楽しく飲めそうだぞ」と。まあこれからどうなるかわからないけど、掛け持ちしながら私にとってどの店に軸足を置くのがいいのかを見ていきたいなあと思うんですよ。なんだったらずっとフラフラ掛け持ちだっていいじゃないのってね。
あ、そうそう。そういえばあっちの店でお見かけしてたあの方この方、ぽつぽつ別のこっちの店で見かけるようになってますわね、ああ私と一緒かな、あっちが嫌になったのかね、なんて妙にシンパシィ覚えちゃったりして。そんな人が増えていって、顔見知りの方がそっちの店にも増えたらもっと楽しめるのかもしれませんね。よかったら紹介しますぜいい店を(笑)
あ、もうひとつ。別の河岸でもお見かけするあの方この方へ。「その話、ほかの店で聞きましたよ(笑)」というツッコミはちょっとご勘弁を。同じ話を別の店でもするおじさんになる可能性大ということで何卒ひとつ。そんなに引き出しもないのでね。
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