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Who is the true Love 【真実の愛は】3

Francesca はRajanに一緒に船に戻ることを提案してきた

船会社側は6カ国語も話せる彼女が戻ってくると言えば二つ返事で受け入れる体制はいつでもあった
アメリカを出発する船だが、ゲストは世界中から渡米してきて乗船する
特にヨーロッパ各国からのゲストが多かったので、多か国語話せるクルー、しかもゲストサービス(フロントデスク)には絶対欲しい人材である

ただ、Rajanはあまり乗り気ではなかったが、将来インドの生活を落ち着かせる為にもまとまった収入が得られる船上での仕事は最終選択として捨てきれない自分もいることは確かだった

ただし、Francesca は会社に条件を提示した
Rajanが同じゲストサービスに配属してもらう事

それは、船での前職のメンテナンスよりもはるかに給料が良かったからだ

ただ、会社側もいくら有能なFrancesca の頼みでもそのパートナーをすんなり雇うわけにはいかない

しかし、その時点で7年連れ添った2人
Francesca は毎日イタリア語一単語をRajanに教えていた

Rajanは面接時に流暢なイタリア語を話せたわけではなかったが、理解できるくらいの語学力は持ち合わせていた為、晴れてゲストサービスのポジションをゲットした
彼はヒンドゥー後、英語、イタリア語の3カ国話せるということになる

僕がRajanに初めて会ったのは彼が配属されて、彼の指導役として一緒に仕事をする様になってからだった

Francesca が辞める前に色々聞いていた惚気話の事を覚えていたから、色んな期待を込めて指導するのが楽しみだった

Josh 『いや〜、聞いてるよ君の噂!Francesca がいつも君の事を話してたよ』

Rajan『あいつまたそんな事喋ってんすか?』

Josh 『彼女すごく周りからも信頼されてて、仕事もできるし、僕もすごく助かってるよ』

Rajan『へー、そんな大した事ないですよ!』

かなり衝撃だった
Joshが描いていたRajanのイメージとはかけ離れていたからだ

あの優しい彼女の彼がこんな奴だったとは浮気こそはしないが、とても彼女のことを大切にしてるようには見えなかった

船での仕事を再開してから更に7年が経ち、側で2人の関係を見ていたが、彼女が彼にゾッコンで
彼はそんな彼女がついてくるから付き合ってるような風にしか見えなかった

ただ、船ではよくある風景
国籍の違うもの同士が惹かれ合い、カップルになるが、いざ将来を見据えた付き合いになるとvisaや陸上での普通の生活など、一気にリアルなハードルがたくさん出てきて消滅してしまうパターン

14年ほど続いたカップルだったが、彼の方からの真剣さが感じられることはなく、僕はまた同じパターンかとタカを括っていた



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