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うずとうら

日本語のクラスで「だるま」についての授業をします。その一環で、卵の殻(卵の上と下に穴を開けて中身を出したもの)を使って、自分たちのダルマを作ります。

その説明をしていたときに 一人の生徒が「うずらの卵でもいいの?」と聞いてきたので、「うずらの卵はちょっと小さくて作りにくいかもね~、え、うずらの卵があるの?」という話から、その子が家にいる鶉が産んだ卵を持ってきてくれました。この生徒は今8年生ですが、6年生の時にホームルームで受け持った生徒で、そういえば家にアヒル、ニワトリとか飼ってるのを思い出しました。

後日、タッパー容器にティッシュを詰めて割れないように持ってきてくれました。そこに生徒のお母さんからのメッセージが。
「外にいるうずらの卵なので割るとき気をつけてくださいね。」
「ん?  どういうことだろう。野生に近いうずらの卵だから、もしかして中でひなが育っちゃってるとか?」
ちょっと不安になったので、こっそりその生徒に聞きました。
「ねぇねぇ。お母さんのこのメッセージだけどさ、どういうことだろ。」

その子はふっと笑いながら、「野放しで飼ってるから殻が硬くて、割る時にピョーンて飛んでっちゃう時があるから、気をつけてってことじゃない?」
「あはは、そうか。もしかしたら中でひなが育ちかけてるかもってことかと思ったよ。オッケ
ー、ゆで卵にするから大丈夫。」

早速ゆで卵にして美味しくいただきました。ひなも育ちかけていませんでした。小さいのにお店で買う普通の卵より味が濃い!

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そういえば子供の頃、家の前の空き地に鶉が卵を産んだままになっていたので家に持ち帰って 温めたら6個のうち2個がかえりました。

「うず」と「うら」と名前をつけて育てようとしま したが、多分2週間ぐらいで死んでしまいました。ぴよぴよ鳴くのを録音したりしてたなぁ。 
かわいそうなことしちゃった。久しぶりに思い出しました。


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【text&photo by Mina from Hawaii Big Island】

成田水奈 愛知県出身。27歳の時に米国アイオワ州に留学。小学校教員免許を取得後公立小学校で教える。結婚を機に全く興味のなかったハワイ島コナに移住。しかしコナでフラダンスと出会いフラを通してハワイの歴史や文化、自然との関わり方や生き方を学びながら、日系人協会に所属し日系人移民の歴史、功績も学ぶ。離婚後もハワイ島が気に入り引き続き公立中学校で日本語とEL (English Learners)クラスを教える。通訳をきっかけにタマラエネルギーと出会う。自分らしく生きるサポートエネルギーを広めるためアクティベーターとなる。

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