音楽の言語

昔、バンド友達の奥さんに

「あなたも何か音楽をされますか?」
と聞いたところ

「音楽Language は読めないから私は聴くだけよ」
と言われたことがあります。

その時、彼女はちょっと得意げに

「彼は(Husband)はイタリア語もスペイン語もスエ―デン語も話せて
音楽も読めちゃう才能の持ち主よ。私にはできないわ」
と付け加えた後、

”You guys enjoy~!”

と言ってバンドのリハーサルに送り出してくれました。

その時は音楽を言語としてとらえてるのは面白いなっ
ぐらいにしか思いませんでしたが
日本語を生徒さんに教えながら
日々雀の涙ほどの進歩のない音楽の練習をし続けて
彼女の発言がいかに正しいかがわかってきた気がします。

ミュージック・ディレクター、日本語だとバンマス(Band Master)に
どうして彼は上手に早く音楽を読めるのか聞いたことがあるのですが
その時の彼は
「「CAT」 という単語を「C」 「A」 「T」 って読んでたら遅いけど
見ただけで「Cat」って解ったら早く読めるでしょ。
いい音楽家は、たくさん音楽を読んでるからこの作業がだんだん早くなるんだよ。音符が一つずつじゃなくて一塊に見えるからスラスラ読めるんだよ。」

と言われてなるほど理屈は分かるけど
私にはなかなか一塊の単語には見えてこないなあ~
と思っていました。

パンダメック以降、新しいコントラクトにサインアップしたこともあり
今までの常連の生徒さんだけでなく初級レベルの
生徒さんと向き合うことが多くなりました。

そこでよく目の当たりにするのがこの瞬間、

彼らにひらがなの読みかたを教え、カタカナを教え、漢字を教え
挨拶のフレーズやら数の数え方やら教えていくうちに

あ・り・が・と・う・ご・ざ・い・ま・す

ありがとうございます~!

に変わっていく、この瞬間。

その時に彼らの見せる笑顔はたとえ50代の男性でも
無邪気な子供が何かを初めて達成した時のようでこちらまでうれしくなります。

ともあれ、私の語学(音楽)勉強は未だ果てしなく

お・ん・が・く のまま、遺憾。

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【text by Shinobu from Canada】

村田しのぶ Shinobu Murata V. 愛知県蒲郡市生まれ。豊橋市で学生時代を過ごし24歳の時、家出同然でカナダに渡る。その後勢いでカナダ人と結婚。15年後に力尽き離婚。レストラン、パブ、コーヒー・ハウス、ゴルフ場のラウンジ等々、17年間続けた自営業に終止符を打ち、現在は地元のカレッジなどで日本語・日本文化のインストラクターをしたり、スカイプで世界各国の生徒さんに日本語をレッスン中。趣味の音楽で知り合ったトランペッターとBC州にあるロッキーマウンテンの麓の小さな町キンバリーに在住。

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