見出し画像

恋人

2月16日の詩

ついに手綱から放たれた尊い生きもの
今すぐにでも本当は逃げ出したいよ

彼は私を好きだといった
泣きたくなるほど静かな
海の底まで轟くような
その声

雲を貫くひとすじの光の
真っ直ぐな眼差しを
私の瞳にそっと落とした


彼は、自然からのことづてを、
ひとり胸に秘めていたのを、
私にもわかる言葉で教えてくれた

風船のように膨らんだり伸びたりしない
わたしのからだとこころは硬くて小さい

わたしであなたをどうやって愛することができる

結局わたしはわたしが憎いのに
愛されてしまう、愛してしまう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?