Bach - Toccata and Fugue in D minor
私の元々の商売は空調技術者です。
一般の事務所ビルもやれば、空港だってやります。半導体工場のクリーンルームもやります。
しかし、面倒くさいのは、コンサートホール。それもパイプオルガンが設置されたコンサートホールである。あのパイプオルガンのパイプ、錫と鉛の合金です。やわい、もろい。温度変化に弱い。
オルガンの裏側
まず、コンサートホールそのもの。あれだけ高い天井。そこから空調機の送風をする。ドラフトって言って、風が当たる感じをお客さんに与えてはいけない。暑すぎても寒すぎてもいけない。
おまけに、空調機というのは騒音の塊。それがダクトというアクション映画で主人公が這いつくばって移動する四角形の亜鉛鉄板の箱を伝って騒音が伝わる。NC値という騒音基準ってのがあって、事務所や工場なら、NC35~40。和室や応接室だとNC30~35。それがコンサートホールだとNC20~25。シーンとしてます。さらに、温度だったら±2℃とか。湿度も±10%。
ところがです、客席とか、交響楽団の演席だったらいいんですが、パイプオルガンなんてあろうものなら、もろいパイプは温度湿度変化に弱い。だから、客席とか、交響楽団の演席と同じ空調機ではダメなんです。別系統です。条件も温度だったら±1℃とか。湿度も±5%。
あんなオープンなスペースで、そんな条件、頭が痛くなります。
バッハの昔はどうしていたんでしょうか?
それを考えると、そんな条件、誰が決めたのか?
そういうエアコンのことも考えて、トッカータとフーガをどうぞ。
Bach - Toccata and Fugue in D minor BWV 565
Van Doeselaar | Netherlands Bach Society
もうひとつ。
Bach - Concerto in D minor BWV 596
Van Doeselaar | Netherlands Bach Society
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