第三章数学と幽霊Ⅱ、第十六話 二人のアマテラス Ⅰ
「二人のアマテラス」を書くに際して、天鈿女命の存在が非常に重要になってくる。卑弥呼という祟り神としてのアマテラスと卑弥呼の宗族の娘で、卑弥呼の後継者、天皇家の直系の先祖としての臺與(トヨ)というもう一人のアマテラス、そして、臺與(トヨ)の師匠でもあった、天鈿女命。この三人の女性の絡まる物語を書いてみようと思っている。
天皇家の祟り神である「卑弥呼アマテラス」は、伊勢神宮に封印されている。古代より歴代天皇が伊勢神宮に行幸しないのは、封印された祟り神と接する必要がないのと、「卑