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Fallout 3のDLCを全制覇したので、各DLCのレビューを誠心誠意試みる。



以前も記事にしたFallout3のDLCを全制覇した。これにてFallout3/NV/4の追加コンテンツを完全制覇した事になるので、ここはいっちょ一つずつ振り返ってみようという記事です。脳がフェラルなので数年前にプレイした物も鮮明に覚えているので問題無いのです。面白かった順に書こうかなとも思ったけれど、分かりやすさを欠くので「どのDLCがおすすめなのか」という観点も含め3から順番に書いていきます。
と、思っていたけど確実に長くなりすぎるので今回の記事では3のみ。NVと4も続けざまに書いていきたい。

※Fallout3のDLCに対する、それなりのネタバレを含みます。


Operation: Anchorage

毎度の如く人員を求めるラジオ通信に誘われたVault101のアイツ(Fallout3主人公の通称)が、戦前のお宝テクノロジーのために、これまた戦前の戦闘シミュレーション世界にダイブする話。

作中作のような形態でゲーム内のゲームを攻略していく。プレイング自体は当時のCODシリーズのようなFPSを踏襲していて非常にリニア(寄り道要素等はほぼない)。

5時間もかからずにサクッとプレイ出来てFallout3の中でもかなりぶっ壊れている類の装備が手に入るゲームプレイ的美味しさはあるけれど、それまでの「主人公の物語」には全く関係がないというRPG性を欠いている点が退屈。

Falloutユニバースで非常に重要な要素であるところの「世界崩壊直前の米国と中国の対立関係の様子」がロアとして垣間見えるのは良いし、「シミュレーションの主人公は4の男主人公:ネイトなのでは!?」という考察なんかはちょっと楽しいけれど、まぁそれだけ。
ついでにFallout3のシューターとしての出来があんまり良くないのもアレですね。(距離減衰やブレがありまくるので弾が狙った場所に飛ばない)
まぁ、3は的あて付きのコマンドRPGのようなものなので本編では殆ど問題にならないんですけどね。
番外感が強いDLC。


The Pitt

またもや何者かからの救援無線を聞きつけたVault101のアイツが、奴隷を名乗る男「ワーナー」からレイダーに虐げられている奴隷を解放することを依頼される。
最終戦争以前は鉄鋼産業で栄えピッツバーグと呼ばれていた街、「ピット」に向かったVault101のアイツが目にする真実とは、という話。

個人的にめちゃくちゃ面白かった。都市の荒廃感も含め、レイダーが奴隷を支配する街という世紀末的空気感がかなり良かったし、ラストの「倫理的にグレーな選択」にはかなり考えさせられた。
装備品没収状態から数多の死地を経て徐々に這い上がっていくプレイングも楽しい。

ざっくり説明すると、病原菌とレイダーの蔓延るピットを救うカギとなる物であり奪取すべき対象とされていた「ザ・キュア」とはアッシャーというレイダーのボスの赤ん坊、マリー(突然変異的に病に対する抗体を有していた)であり、そしてアッシャーは過去にBrotherhood of Steelに所属していた兵士だった。奴隷達に圧政を敷き都市を造り上げたことは全て病の治療法を見つけ出すためで、101に依頼をしたワーナーの目的は、彼を蹴落とし奴隷達の英雄になることだった、と。

そしてプレイヤーは
①ワーナーに協力して赤ん坊を誘拐し、反乱を起こす奴隷達に協力をする
②アッシャーに協力してワーナーと反乱奴隷を排除する
のいずれかの立場を選択することになる。


このストーリーの面白い所は、種明かしで善悪が反転する倫理的な曖昧さですね。
主人公が街に足を踏み入れた瞬間に見える光景が「リンチの末殺害される奴隷」だったりで徹頭徹尾レイダー達に嫌悪感を抱く構造になっているわけですが、真相を知ればその感情の正当性が分からなくなってくる。

ワーナーに味方した場合、ミディアという女性と共に彼の陣営も一応「病の治療法を探す研究」を引き継ぐことになるらしいのですが、専門家でもない彼らが研究を成功に導けるかどうか、という。

アッシャーの味方についた時の台詞が中々ヘヴィ。
赤ん坊を拐うという行為を躊躇ったプレイヤーの「チンケな感傷」も多かれ少なかれあるでしょうね。
救世主になろうとする小悪党、ワーナー。

究極的には「多数の幸せのためならば少数の犠牲を良しとするか」という問いなわけですが、どちらを選んでもピットに明るい未来が訪れるとは思えないんだよナァ。アッシャーが民のため善のために殉じるであろうことはまあ疑いようのないことだとは思うけれど、力を示すことで傍若無人たるレイダー達を押さえつけてきた彼の軟化を、レイダー達が認めるとは思えない。(それこそ「4」の総支配人のように)
かといってワーナーが(そもそも101に適切な情報を与えていなかった時点で)信頼に値する奴ではないことも明らかで、赤ん坊や人民に対する倫理的選択肢のみならず、本編のテンペニータワーのクエストでも見られたような「人の本質を鑑みた上での選択」を迫る構造も面白かったですね。名作だなこりゃ。


Broken Steel

父が遺した浄化プロジェクト計画を為し遂げた101が何やかんやで生存し、世紀末の超絶レイシスト集団:エンクレイヴの残党をボコボコにする話。

Dr.リーの動向や幼き頃のエルダー・マクソンの登場、リバティ・プライムの損壊など正史的に重要な要素が沢山語られ、メインクエストと地続きなストーリーが展開される。
レベルキャップやPerkの増加等ゲームプレイ的にも恩恵がもたらされる大規模DLCだが、個人的にはあまり気に入らなかった。

まあそれも含めていいんですけども、そもそも3のメインストーリー自体が善人プレイを前提に設計されすぎている、という問題がこのDLCを含めると余計に強まるんですよねぇ。
「Fallout4はロールプレイングの幅が狭い」という批判は一億回聞いたわけですが、むしろDLCを含むと3の方が狭いのではないかと思った。
メインクエストで浄化装置起動、BSでエンクレイヴ破壊までやるともう自分の主人公というよりは「Vault101のアイツ」という人格になって、「生き方を選ぶRPG」要素がかなり薄れてしまう(「やらされてる感」が生まれてしまう)んですよね。

悪人ルートもちゃんと用意されているとは言え、あの雑な説得でエンクレイヴ側になびくのは(狂っている主人公としてプレイをしていない以上)どう考えても不自然すぎるわけで。

DLCクエスト自体も、Operation: Anchorage以上に長い上に殆どがひたすら戦闘。そして最終ダンジョンは仲間キャラありきの雑な難易度なので一人で赴くと苦戦必至。
「旅に終わりがなくなる」という点は素晴らしいけれど、中立プレイ大好きマンとしてはイマイチノリ切れなかった。


Point Lookout

またまた謎の無線通信に誘われた101が、カルトと激キモクリーチャーに囲まれた地獄の沼地、ポイントルックアウトに足を踏み入れ色々とエラい目に遭う話。
島の不気味な空気感と豊富な探索要素に加えてシリーズらしいアイロニーと狂気成分がたっぷりで、かなり面白かった。
仲間を連れていけないことによる本当の孤↑高↓感も良い~ね。

沼地に囲まれた島に気味の悪い生物、謎の植物、狂信的カルトなどでミステリアスな空気を醸し出しておきながら、話の本筋は戦前から生きてるジジイ達の小競り合いという肩透かし感もいかにもFalloutらしくて良かった。
本当にどちらの味方もしたくなさすぎる、というプレイヤーの心理をついた「もう帰っていいかな?」という選択肢で一笑いした。 ギャグと狂気は紙一重、なストーリーを地で行っている名作でしたね。

結果的には喧嘩両成敗になりました。
(脳みその味方をした後に裏切られ、脳みそもしっかり破壊)
3のDLCでは1番好きだね。

クリア報酬で自分の脳みその欠片(特に使い道はない)が貰えます。どういうこと?
脳みそ摘出されるシーン幻覚の演出も良かった、ファークライっぽいなとも思ったケド。


Mothership Zeta

天から殺しの才能を授かった肉袋(公式)ことVault101のアイツ、チンピラのウェイストランダー女、ロリババア、SFオタクの戦前の兵士、センチなカウボーイ、サムライ、達が決死部隊となり、地球人をオモチャにするエイリアン達を完膚無きまでにぶちのめすという物語が描かれるかなりゴキゲンなDLC。一部の層から妙に人気な一作。

ロリババア、というか戦前から拉致られていたロリっ子。有能すぎて怖い。
軍人の癖に陰謀論を語る男。
傷心のカウボーイ。
侍。(英語版でもちゃんと日本語を話す)

ゲームプレイ上でやることはまぁ殆ど戦闘なんだけれど、ストーリーのぶっ飛び方とキャラクターの際立つ個性がめちゃくちゃ良かったね。グランドフィナーレに相応しいDLC。

This Galaxy Ain't Big Enough…
(この宇宙は俺達には狭すぎる)
イケてる~

ラストには敵の宇宙船を乗っ取り、主人公が宇宙船のキャプテンとなった上でエイリアン側の宇宙船をレーザービームでぶっ壊すというかなりバカな展開が繰り広げられる。
寄せ集めの軍団が宇宙人相手に大勝利を収めるというハチャメチャ感がかなり良くて、「このチームで宇宙に旅に出ようぜ」となった。無駄にスケールがデカくて軽快なノリはかなり良かったですね。
バカゲー要素を最後にしっかりと補完した意義は大きいと思う。

主人公が宇宙服を纏って宇宙船の外に飛び出す一幕などもあります。これは実質StarFieldの予習だ。(タイムリー)

しかしやたらバグやスタックが多かったり、クリア後に戻ってこられないエリアだらけだったりなのはマイナスポイント。



Fallout3再燃は一旦以上となります。
個人的にはポイントルックアウト>ピット>ゼータ>ブロークンスティール>アンカレッジ の順番で面白かったすね。特に前者2つはかなりおすすめ。
n週目で悪人プレイ(メガトン爆破)もまたやりて~ですヮ。

StarFieldの続報もめちゃくちゃ出まくったところで、今のうちにNewVegasも擦り直してまた記事に感想を書いたりしたい。その前に就職活動を終わらせて強PCを買うぞ!!!!!!!

3のカルマ中立レベルマックス称号が「真の人間」(True Mortal)なのがめちゃくちゃ好きです。漏れ達の人生通してのカルマってやっぱり中立だろ。

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